東京商工リサーチ(TSR)が12月に企業を対象に行ったアンケート調査で、インボイス制度に登録しない免税事業者との取引について、「取引しない」と回答した企業が10.2%に達したことが分かった。8月に行った前回調査から0.4ポイント増加した。
さらに免税事業者に対して「取引価格を引き下げる」と回答した企業も2.7%いた。「これまで通り」とした企業は40.3%だった。
規模別では、「免税事業者とは取引しない」は大企業の5.8%、中小企業の10.9%。「取引価格を引き下げる」という回答は、大企業の1.6%、中小企業の2.8%となった。「免税事業者との取引は、収益負担となる可能性が懸念されるだけに中小企業がよりシビアに判断しているようだ」(TSR)
インボイス制度が始まると、免税事業者との取引において、これまで支払う必要がなかった消費税を発注側が負担する必要がある。
大企業、中小企業ともほぼ半数が免税事業者との取引について「検討中」としている。TSRの調査では、法人の71.6%がインボイス制度の登録を済ませたのに対し、個人企業(事業主)は19.0%にとどまった。この点が、企業が免税事業者との取引方針を決めかねる状況を招いているとTSRでは分析している。
本調査は12月1〜8日にインターネット上で実施し、有効回答4865社を分析した。
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