米Twitterのイーロン・マスクCEOは12月16日(現地時間)、前日凍結した複数の著名ジャーナリストのアカウントを凍結解除するとツイートし、その後それらのアカウントは実際に凍結解除された。
この凍結の対象となったジャーナリストは、マスク氏の自家用ジェットの位置情報をツイートするbotアカウント「@ElonJet」が凍結されたことに関する記事を書いていた。マスク氏は凍結の理由を「彼らは、私の正確なリアルタイムの位置、つまり暗殺座標を投稿することで、(明らかに)Twitterの利用規約に違反した」とツイートで説明した。(実際には、例えば少なくともThe New York Timesのライアン・マック記者は@ElonJetのリンクは紹介したが、直接リアルタイムの位置を投稿してはいない)。
マスク氏はジャーナリストたちのアカウント凍結後、「これらのアカウントは今すぐ凍結解除するべきか、それとも7日後に解除するべきか?」という投票を行った。
その結果、約370万票の58.7%が「今すぐ」に投票した。
ジャーナリストらのアカウント凍結解除はこれを受けてのことだ。マスク氏はこれまで、ドナルド・トランプ前大統領の凍結解除やそれ以外の凍結アカウントの大量恩赦を投票結果の「民の声」に従うとして実施してきた。
マスク氏は「The People Have Spoken(民は声を上げた)」とツイートしたが、これはデビッド・ハルサニ氏の著作「The People Have Spoken(and They Are Wrong)」からの引用とみられる。
つまり、民の声は間違っていると言いたいようだ。マスク氏はさらに「私の位置情報をさらしたアカウント」の凍結が解除されると言っている。
この件については国連とEUが懸念を表明した。
国連のグローバルコミュニケーション担当事務次長、メリッサ・フレミング氏はアカウント凍結について、「ジャーナリストがTwitterから恣意的に停止されたという報告に強い不安を感じている。メディアの自由はおもちゃではない。報道の自由は民主主義社会の礎であり、有害な偽情報と戦うための重要なツールだ」とツイートした。
欧州連合(EU)の欧州委員会委員ヴェラ・ヨウロヴァー氏は「Twitterでのジャーナリストのアカウント凍結に関するニュースは心配だ。 EUのデジタルサービス法は、メディアの自由と基本的権利の尊重を求めている。これは#MediaFreedomActの下で強化される。@elonmuskはそれに注意する必要がある。一線を超えればすぐに制裁する」とツイートした。
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