クリスマスが今年もやってきた! 子供はもちろん大人も楽しみなクリスマス。12月24日には「サンタさん、まだ来ないのかな?」とワクワクして夜を過ごした経験がある人もいるだろう。
実は、トナカイが引くそりに乗ったサンタの居場所をリアルタイムに追跡できる米Googleのサービスがあるのをご存じだろうか。その名も「サンタトラッカー」(日本名:サンタを追いかけよう)で、もはや毎年恒例のイベントだ。サンタクロースの居場所は、ITの力で公然の秘密になってしまった。
これまで本連載では、Googleが人工知能(AI)や拡張現実(AR)といった技術の可能性を提示する取り組み「Experiments with Google」のコンテンツを紹介してきた。連載27回目の今回はExperiments with Googleから離れて、クリスマススペシャルとしてサンタの秘密に迫っていこう。
Googleは毎年12月になると、特設サイトとしてサンタトラッカーをオープンする。12月24日の夜には、北極を出発したサンタが各地でプレゼントを配る様子を地図上で確認できる。
こうしたサンタ追跡プロジェクトは、米国とカナダが共同運用する北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が2000年代初頭から実施しており、Webサイト「NORAD Tracks Santa」を公開している。防衛組織の任務にサンタ追跡があるのはユーモアがあって面白い。その経緯もユニークなので、興味があればWikipediaをチェックしてほしい。
NORADの活動に賛同したGoogleは、Webサイトの運営を支援する立場で07年にプロジェクトに参加した。その後、Webサイトの管理を米Microsoftが担当することになり、Googleは独自サイトを12年に立ち上げた。毎年12月になるとサンタトラッカー上で凝ったコンテンツを公開している。
サンタトラッカーの醍醐味(だいごみ)は、その名の通りサンタを追跡することだ。しかしサンタが仕事を始めるのは12月24日。そこでサンタトラッカーでは、12月に入ってからクリスマスまで飽きずに過ごせるよう、遊んで楽しめるコンテンツをたくさん用意している。
コンテンツはミニゲームも多いが、中にはAIや情報セキュリティがテーマのものある。この連載とは関係がなさそうに見えるサンタトラッカーだが、実はとてもふさわしいGoogleの取り組みなのだ。
サンタトラッカーの各コンテンツは、Webサイトをスクロールしていくか、画面左上のメニューボタンをクリックしてアクセスできる。ここでは3つピックアップして紹介する。
サンタさんの部屋を見てみたい――多くの人が考える夢だが、秘密主義のサンタはそう簡単に見せてくれないだろう。しかし、果たして本当にそうだろうか。サンタトラッカー上で公開中の動画「対ペンギンセキュリティ」を見てみよう。
動画は、くつろいだ服装のサンタが秘密の部屋に入るシーンで始まる。一見すると電子錠で厳重に守っているので忍び込むことは難しそうだが、サンタが設定していたパスワードは「同じ記号3連続」というお粗末なもの。あまりに簡単だったので、のぞき見していたペンギンたちにばれてしまった。
あっさり侵入に成功したペンギンたちが見つけたのは、サンタの衣装やプレゼントが置かれたすてきな部屋。大はしゃぎしたペンギンは部屋をめちゃ苦茶にして、サンタから大目玉を食らってしまう。
サンタも反省したようで、安全なパスワードの作り方を学び、見られても簡単には覚えられない複雑な組み合わせに変更したようだ。これで安心してプレゼント配りに出発できる!
対ペンギンセキュリティでは、パスワードの大切さをサンタの失敗から学べる。PCやスマートフォン、普段使うアプリケーション、さまざまなオンラインサービスに至るまで、安全に使うために情報セキュリティに注意する必要がある。その基本中の基本は、推測されにくいパスワードを設定して不正アクセスを防ぐことだ。
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