家を出発したサンタは、世界中の子供たちから届く手紙を参考にプレゼントを配っている。とはいえ膨大な数の手紙を読むのは大変だ。どうやら手紙を素早く読めるように機械学習ロボット「Tensor」が手伝っているらしい。
Tensorはサンタさんの機械学習ロボットで、サンタさんが世界中の子供たちから届いた手紙を速く読めるように手伝っています。(中略)画面に表示されているクリスマスにまつわる言葉の絵を描いてください。すると、Tensorはそれが何に見えるかを答えます。たくさん描くほどTensorは賢くなります。Tensorがもっとサンタさんの助けになるように、手を貸してください。
(サンタトラッカーの説明ページより)
こんな設定のお絵描きコンテンツ「Quick Draw」がある。実はこれ、前回の記事で紹介した落書き判定AI「Quick, Draw!」をクリスマス用にアレンジしたものだ。
Quick, Draw!は、落描きデータを集めるためにGoogleが開発したゲーム形式のWebアプリだ。お題に従って描いた絵を、AIが解析して何の絵か推測する。たくさんの人が遊んで絵を描くほど大量のデータが集まり、結果的にAIの推測精度も上昇する。それがGoogleの目的だ。
最初にGoogleの狙いを明かしたが、そういう理屈抜きにしてQuick, Draw!は純粋に楽しめるゲームだ。1人でプレイしても楽しいし、友達と遊んでも盛り上がるのでクリスマスのパーティーにピッタリだろう。
サンタトラッカーのQuick Drawは、デザインが子供向けになり、お題はクリスマスや冬に関係するものになっている。実際に試してみると、描き方に悩むものが多かった。
例えば1問目は「リース(花輪)」で、画力のない筆者はどう頑張っても「開店祝いの花輪」にしかならない。続くお題「トナカイ」はなんとか正解したが、鼻を赤くできなかったことが心残りだ。そして「アイススケーター」は滑走感まで表現できていて悪くない出来だと思うのに、AIに「バナナ」扱いされた。最終的に、4問中2問しかクリアできなかった。
最後に、サンタが配ったプレゼントを受け取ろう。プレゼントが置かれたマスまで、小さな妖精をうまく導くことでプログラミングを学べるコンテンツ「コードラボ」がある。
難しい操作は不要で、プログラムを構成する「命令ブロック」を順番に並べていくだけだ。プログラミング教育などで使われる言語「Scratch」に似ている。特にプレイ開始直後はチュートリアルなので、パズルのように命令ブロックに当たるピースを組み合わせる形式で簡単に操作方法を覚えられる。
チュートリアルを終えたら、いよいよプログラミングだ。といっても身構える必要はなく、妖精を上下左右(東西南北)に動かしてプレゼントのコマに向けて進ませればいい。レベルが上がるにつれ処理が複雑になり、特定の命令を繰り返すループを使うといった工夫も学べる。
サンタトラッカーには、もう1つ別のプログラミング学習ゲーム「コードブギ」がある。こちらは、音楽に合わせて踊る妖精と同じ動きをするプログラムを組んだり、妖精を好きなように動かすプログラムを作ったりできる。
プログラミングの難易度は、コードラボと大差ない。ただし、こちらは妖精のダンスを見ながら素早くブロックを並べる必要があるので、間に合わないと振り付けを忘れて失敗する。ゲーム性はコードラボより高めだ。
サンタトラッカーの目的はサンタのリアルタイム追跡だ。これはGoogleにとって自社のPRにつながる取り組みなのだろう。またサンタトラッカーには教育関連の非営利団体を紹介するコンテンツ「プレゼントの季節」があるなど社会貢献の側面もあるのかもしれない。
本記事で紹介した以外にも楽しいゲームやアニメがある。サンタクロースやトナカイ、妖精などと遊ぶように1つ1つ試していけば、一人でも、家族や友達とも楽しめるはずだ。
それでは、みなさんメリークリスマス。そして、良い年をお迎えください。
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