米Twitterが、投稿が見られた回数を表示する「View Count」機能を実装した。UIが変わり、ツイートの左端で表示回数が確認できるように。一方、日本のユーザーの反応はさまざまだ。「承認欲求モンスターが生まれてしまう」「広告価値が丸裸に」などの声が上がり、12月23日午前には「表示回数」「インプレッション」が日本のトレンドに入った。
これまでも、自分の投稿であれば「Twitter Analytics」機能で閲覧回数やクリック数を確認できた。View Countは閲覧回数のみの表示だが、他ユーザーの情報も見られる。つまり、自分のツイートがどれだけ見られたか、他人に知られてしまうわけだ。
例えばYouTuber・HIKAKINさん(フォロワー約663万人)が19日に投稿したツイートの閲覧数は約518万回。記者がITmedia NEWSの公式アカウント(フォロワー約32万人)で23日午前8時に投稿した取材記事のツイートは、約1万2000回表示されている(いずれも23日午前11時時点)。
ただ、新機能に対する日本ユーザーの反応はやや冷たい。「UIが見にくくなった」「モーメントやフリートの復活を優先してほしい」「どうしても自分と同じくらいの人と表示回数を比べてしまうので、息抜きのはずのインターネットの世界が、新たな地獄みたいな状態になりそう」など、あまり好意的には受け止められていないようだ。
特に、表示回数部分を押すと出て来る説明画面の仕様が不評だ。説明画面には「非表示にする」というボタンがあり、押すと元の画面に戻れる(説明画面が非表示になる)。ただ、押すことで表示回数そのものを非表示にできると勘違いする人もいるようで、ボタンの文言が紛らわしいと文句をいう声が見られる。
広告や宣伝活動などへの影響を懸念する声も多い。例えばドワンゴCOOの栗田穣崇さんは「表示回数がオープンになることでフォロワー数が多くてもあまり見られていないアカウントが可視化されてしまうのは結構エグイ」と投稿。
イラストレータ―のアカウントからは「2万いいねがついても、100万回表示されたと分かれば、98万人が絵を見てもいいねしなかったと可視化される」といった声も。他にも、「フォロワー数稼ぎをしているアカウントは実態が伴っていないことがバレる」「インフルエンサーの影響力が可視化される」といった意見が見られた。
そもそもこの機能はなぜ実装に至ったのか。Twitterのイーロン・マスクCEOは「Twitterユーザーの90%以上は、投稿を読んでいるものの、いいねやツイート、リプライをしていない。これでTwitterが見かけよりにぎわっていることが分かる」「Twitterはいいねされた回数の約100倍読まれている」などと投稿している。つまりはTwitterの広告価値をより分かりやすくする施策のようだ。
マスク氏のCEO就任以来、混乱の続くTwitter。大規模な人員削減などから、経営状況の不安定さなどもうわさされている。果たして、今回の取り組みはどんな結果を生むのか。
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