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クリスマスイブに阿鼻叫喚 ドミノ・ピザのネット注文はキャパオーバーだったのか? 話を聞いた

» 2022年12月27日 19時56分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 「さばけないなら予約を受けるな」──クリスマスイブの12月24日、デリバリーピザチェーン「ドミノ・ピザ」に対して批判の声が上がった。同社の公式Twitterアカウント(@dominos_JP)は同日、「当日の注文も間に合います」と投稿したが、一部の店舗では商品の受け渡しに大幅な遅延が発生。Twitterではユーザーからの不満の声が相次いだ。

 あるTwitterユーザーは、ドミノ・ピザ四日市生桑町店(三重県四日市市)の24日午後7時過ぎ時点の状況を写真付きでツイート。店の前には行列ができており、多くの人が待っているのが分かる。投稿者は「先頭が午後5時30分の予約分を作ってるところとかふざけてんのか? さばけないならそれだけの予約受けるな」(原文ママ)と厳しいコメントを残している。

 これ以外にも、複数のユーザーから「予約した時間に商品を受け取れなかった」という旨の意見が飛び交っていた。同社の公式Twitterアカウントは24日正午時点で「当日の注文も間に合います」と投稿していたにもかかわらず、このような結果になったことから批判の声が集まった。

ドミノ・ピザの公式Twitterアカウント(@dominos_JP)が12月24日にツイートした内容

 ドミノ・ピザではWeb、もしくはスマートフォンアプリ(iOS/Android)を使ったネット注文を推奨している。それなのにどうして一部店舗では注文管理がパンクするような事態になったのか。ITmedia NEWSはドミノ・ピザ ジャパンに話を聞いた。

iOS向けのドミノ・ピザのアプリ

ドミノ・ピザの見解 「顧客満足度は21年よりも向上」

 同社はまず、今回の事態について「24日のクリスマスの店舗のオペレーションに関して、遅配などで多くのお客さまに迷惑を掛けてしまい、期待に沿えなかったこと、心よりおわびする。大変申し訳なかった」と謝罪した。

 「24日は土曜日と重なるクリスマスということで、予約も多数あり、それに応えるべく、人員態勢も整え、プレスリリースで25日の注文をお願いするなど、全社をあげて対策をとってきた。さらに、24日は予約・注文にしっかり応えるべく、ピーク時で全店舗の約7割にあたる672店舗でオーダーストップを実施していた。これは、ご予約・ご注文にしっかりお応えするためであり、トラブルを防ぐために実施したもの」(同社)

 ドミノ・ピザのスマートフォンアプリには、配達時間を予告する機能が備わっている。24〜25日はアプリの注文画面に、通常配達時間よりも時間がかかる可能性がある旨を記載していたという。「大幅な遅延が発生したのは一部の店舗で、時間通り配達できた店舗も多数ある」とコメントしている。

 こうした対策が功を奏し、メールやアプリなどから得た24〜25日の顧客満足度では21年の同時期に比べて大幅に向上したという。「全体の3分の1の店舗では、かつてない高いお客さま満足度を記録した」。一方で一部店舗では遅配などのトラブルが発生したことも事実であると認めている。

 「十分対応できた店舗も多いことから、トラブルの原因は個々の店舗によって異なると考えている。最も多くの注文があるクリスマスに向けて仮想のトレーニングは行ってきたが店舗によっては実際に直面すると想定通りにうまくオペレーションを回しきれなかった。ただし、各店舗のクルーは、最大限の努力をしており、店舗によって対応に差が出てしまったことは、本部の支援が不十分であったことが原因であると反省している」(同社)

ドミノ・ピザの公式Webサイトから引用

 24日正午に行ったツイートについては、不十分な内容の投稿であったと認めた上で謝罪した。投稿時点では注文受付可能な店舗が多く、注文に対応できない場合も各店舗でオーダーストップの対応が可能であり、ユーザーに対し有益な情報を提供するために、ツイートを行ったと説明する。

 「しかし、一部の店舗で大幅な遅延が発生し多くのお客さまに迷惑をおかけした結果になってしまったことを深く反省している。批判をしっかりと受け止め、今後このようなことがないよう改善に努めていく」(同社)

 また、顧客が満足できなかった場合、常に返金を行う体制を整備しており、今回のクリスマスについても例外ではないと説明。「商品や接客対応、配達時間などへの不満や、配達時間遅延によるキャンセルなど、ドミノ・ピザ側の不手際により満足いくサービスを提供できなかった場合、返金・再配達などを行う仕組みがある」としている。

 今後の対策については「当社としましては、お客さまの意見・批判を真摯(しんし)に受け止め、今後も『Hungry To Be Better(よくすることにハングリー)』の精神をもって改善作業を続けていく」と話している。

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