ITmedia NEWS > 製品動向 >

Appleが「タッチパネル搭載Mac」を開発中? Bloomberg報道

» 2023年01月16日 16時20分 公開
[MACお宝鑑定団]
MACお宝鑑定団

 Appleは過去10年間、Macにタッチスクリーンを搭載することを否定してきただけでなく、あえてこの機能を提供する競合他社をあざ笑ってきたが、その方針は変わり、2025年に向けてタッチスクリーンを搭載した新しいMacBook Proの開発に着手しているとBloombergが伝えている。計画通りに進めば、その後、他のMacにもタッチ機能を追加することになりそうだという。

 Microsoft、ASUS、Acer、HP、Dellなど、大手コンピュータメーカーから発売されているMac以外のノートPCのほぼ全てに、すでにタッチスクリーンが装備されており、多くのノートPC購入者にとって、タッチスクリーンは必須の機能となっている。

 Macのシェアが伸びている今、タッチスクリーンを追加することは、Appleの勢いを維持するのに役立つと考えられる。一方で、Macがタッチパネルに移行した場合、iPadと共食いするのではないかと社内で懸念されており、それはAppleの製品に取って代わるものでなければならないというジョブズ時代の倫理観を否定する物でもある。

 近年、MacがiPadに後れを取ることが多くなり、Appleにとって、より性能の高いコンピュータのラインアップをできるだけ魅力的にすることが重要とされている。こうした背景から、長期的にはタッチスクリーンを搭載することは、次世代の消費者を取り込むためにも必要となる。

 2010年以降に生まれた人々は、iPhone、iPad、Amazonタブレット、そして冷蔵庫に至るまで、タッチファーストのデバイスで育っていて、彼らは、あらゆるものをタップしたり、ピンチ操作でズームしたりすることを望んでいるという。

 若い人たちにとってタッチ操作はごく当たり前のものとなっており、トラックパッドとマウスを使った操作は最終的に後回しにされる可能性もある。Appleは、そのような消費者に対応するデバイスを準備する必要があると記事は指摘している。

 その他、Appleは米Broadcomと米Qualcommの採用をやめ、自社製のワイヤレスチップを搭載する計画だとも伝えている。

 Appleのデバイス内部のコンポーネントを交換する動きは、今後数年でエスカレートし、Appleはスクリーン以外にも、セルラーモデムとカスタムWi-Fi/Bluetoothモジュールという2つの新しいコンポーネントの開発に取り組んでいて、これらのチップにより、AppleはQualcommとBroadcomへの依存を減らすことができると考えられる。

 このシフトは、Appleのワイヤレス技術の進歩が、Samsungなどのライバルの部品も製造しているサプライヤーではなく、Appleのハードウェアチームのスピードとイノベーションに依存するようになることを意味する。また、Appleは中核となる基礎技術を所有すべきであるというスティーブ・ジョブズ氏の信条にも合致しているとしている。

Copyright (C) 1998 Mac Treasure Tracing Club. All rights reserved.