米Microsoftは1月18日(現地時間)に、米Alphabet(Googleの親会社)は20日に、それぞれ大規模リストラを発表した。いずれもコロナ禍中に大幅に拡大した雇用を見直し、成長の見込めるAIなどの分野に注力するためと説明した。
具体的なリストラ対象については両社とも発表していないが、米メディアがSNSへの投稿などに基づいて紹介している。
Microsoftでは、VRワークスペース「AltSpaceVR」に取り組むチーム全体、VR空間の空間アンカー用クロスプラットフォームフレームワーク「Mixed Reality Toolkit(MRTK)」のチーム全体、オンラインゲーム「Halo」を手掛ける343 Industriesの従業員の3分の1が対象と米Windows Centralなどが報じた。
AltSpaceVRは2017年に買収したVR企業。同社は20日に公式ブログで、AltSpaceVRプラットフォームを3月10日に廃止すると発表した。だが、MicrosoftがこれでVRから撤退するわけではなく、MRアプリ開発プラットフォーム「Microsoft Mesh」にシフトするとしている。
MRTKは、Unity VRと統合しており、MicrosoftのHoloLensだけでなくMetaのヘッドセットとも連携するフレームワーク。MRTKチームがなくなることで、HoloLensのプロジェクトもなくなるかどうかは不明だが、Microsoftのメタバースへの取り組みは後退しそうだ。
343 Industriesのリストラについては、Haloの公式Twitterアカウントが「343 Industriesは今後も、エピックストーリー、マルチプレイヤーなどを含む、Haloの素晴らしさを支えるものの開発を続ける」とツイートした。
米New York Timesが入手した社内メールによると、Googleの研究部門Google Researchが、ヘルスケアを含む「あまり注目されていない分野」の人員を削減するという。
過去数年間に人員を急増させてきたクラウド部門、Google Cloudもリストラ対象になった。
Alphabet傘下のムーンショット企業Xでは、戦略および事業運営チームが対象になった。
Googleが“第三のOS”とし、Nest端末に搭載した「Fuchsia」の400人のチームの16%も対象になったという。
米TechCrunchなどによると、社内インキュベーターのArea 120のチームも「縮小」されたという。Googleの広報担当者はTechCrunchに対し、年内にArea 120から3つのプロジェクトが“卒業”すると語った。
Alphabetのリストラ対象は広範な分野にわたるようで、LinkedInには16年務めたソフトウェアエンジニアマネジャーや23年務めたGoogle Partner Plexの責任者、YouTube Originalの担当者などが「解雇された」と投稿している。
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