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「もう安心して食べられない」 「回転寿司」Twitterトレンド1位に SNSで拡散“寿司テロ動画”に批判相次ぐ

» 2023年01月30日 18時58分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 1月30日午後、「回転寿司」というワードがTwitterトレンドの1位になった。回転すしチェーン「くら寿司」「はま寿司」「スシロー」店内での迷惑行為を撮影した動画が、1月中旬からSNSで相次いで拡散。飲食各社が対応を発表しており、Twitterでも「もはやテロ」「もう安心して食べられない」など、迷惑行為への批判が相次いでいる状況だ。

photo 1月30日午後のTwitterトレンド

 例えばはま寿司を巡っては1月中旬から、利用客がすしに無断でわさびを乗せる動画がSNSで拡散。「もしアレルギー物質や毒物だったらいたずらで済まない」などと批判を集めた。

 産経新聞などによれば、はま寿司を運営するゼンショーホールディングスは、いたずらをした人物から謝罪したい旨の連絡を受けたという。一方で同社は「当社のルールから著しく逸脱した行為で、許されざる内容」として、警察に被害届を提出する方針を示している。

 くら寿司でも同様にいたずらの動画が拡散。こちらは、若い男性が一度取ったすしをレーンに戻すいたずらの様子を収めた動画が広まっていた。くら寿司ではすしをほこりなどから防ぐカバーを採用しているが、その効果を弱めるようないたずらといえる。

photo くら寿司の「抗菌寿司カバー」(くら寿司公式サイトから引用

 くら寿司によれば、拡散された動画は約4年前に撮影されたものだったという。はま寿司などと比べると古い動画だったが、くら寿司も警察に相談して対処する方針としている。

 スシローを巡っては、若い男性が店内に設置されたしょうゆの容器や湯飲みをなめたり、回転しているすしに唾を付けたりする動画が拡散。他にもすしを触る子供の動画や、口を付けたさじを粉末茶の容器に戻す動画などが広まっている。

 動画の拡散を受け、スシローを運営するあきんどスシローは30日、刑事民事の両面で法的に対処していく方針を発表した。「このような行為は、お客さまとの信頼関係を損なう重大な事案」などとして、迷惑行為が発生した時期や被害店舗の特定、店舗の消毒などを進める方針だ。

嫌悪感や“さらし上げ”など ネットの反応は

 一連の動向に対し、Twitterでは迷惑行為をする人への批判が集まっている。例えば「もう無人の回転寿司嫌だな」「まねする人がいるだろうし、しばらく行かない方がいいなー」など、迷惑行為や行為による不衛生さへの嫌悪感を示す声が見られた。

 「性善説に基づくビジネスモデルが崩壊してしまった」「回転寿司を含む多くの自動配送の飲食店に大打撃を与える行為」など、ビジネスモデルへの危機感を示す声もあった。インフルエンサーが「#寿司テロ」などのハッシュタグをつけて迷惑動画を転載することで“さらし上げ”にするような投稿も見られた。

 「10年前の騒動を思い出す」などと、過去に多発した“バイトテロ”との類似点を指摘する声も多い。バイトテロ当時もさまざまな企業が対応を迫られた。社会が再び同じような問題に頭を悩ませる時期が来たのかもしれない。

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