三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)が2月3日に発表した「Olive」は、個人向け金融サービスの集大成だ。そこには銀行だけでなく、クレジットカード、証券、保険などが一体化された。そこに「今後、VポイントがTポイントと統合する新ポイントが、各サービスをつなぐ役割を果たす」(SMBCグループの太田純社長)という。
SMBCが運営するVポイントと、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営するTポイントは、1月27日に統合に向けた最終合意を行った。統合の時期は明らかにしていないが、Oliveにとって重要な位置づけだ。
そこで気になるのが、このポイントの名称だ。どんな名称が考えられるか、予想してみよう。
これまで「三井住友」ブランドと「Visa」あるいは「V」を使うことが多かった同グループに、新たに「Olive」というブランドが誕生する。このブランドをさまざまなサービスに横展開していくと考えるのは自然だ。
となると「Oliveポイント」が有力か? と思いきや、「Olive」と「Oliveアカウント」は三井住友銀行と三井住友カードから商標出願されているが、「Oliveポイント」は現在登録がない。
一方で、ロボアドバイザーサービス国内最大手のウェルスナビが「OliveMoney」と「OliveNavi」という名称を商標出願しており、偶然なのか三井住友銀行のOliveに今後サービスを提供する準備なのか、興味深いところだ。
商標をチェックすると別のポイントも見つかる。VポイントとTポイントを統合した新ポイントを運営する予定のCCCMKホールディングスが、2022年11月に出願しているのが「VTポイント」と「VT-POINT」だ。
VポイントとTポイントだから「VTポイント」。ベタだが分かりやすく、統合されたことがひと目で分かる。旧Tポイントユーザーからしても、継続している感じもある。
商標法によると、商標は利用しているか近い将来に利用することが前提ではないと出願できない。押さえておくことはできず、使用していなかったら取り消しもある。そのため、VTポイントの確度は高そうだ。
3つ目の案として、Vポイントを廃止してTポイントに統合、またはTポイントを廃止してVポイントに統合という線もなくはない。知名度とユーザー数でいったらTポイントだが、それは少々新ポイントのイメージをミスリードする可能性がある。
というのは三井住友カードの大西幸彦社長は「特定の経済圏に縛られない仕組みが重要」だと、新ポイントの目指す方向性を話しているからだ。これは現在のVポイントがそうであるように、クレジットカードが使える店舗ならばどこでも利用でき、新ポイントの囲い込み経済圏を作らないということを意味する。
Tポイントは、まさに加盟店で貯まって加盟店でだけ使えるポイントとして誕生した経緯があり、まさに経済圏だ。新ポイントの位置付けを考えると、Tポイントはそのままでは使いにくいのではないか。
最後に大穴を。アルファベットの並び順で、TとVの間にはUが来る。TポイントとVポイントが一緒になったということで「Uポイント」というアイデアも、ネットでは見ることがある。
ただしUポイントはUCSカードを提供するUCS社が、カード利用で貯まるポイントとして提供している。他社が使っている以上、Uポイントの線は薄いだろう。
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