また、電波の方向を曲げることで、屋内の電波を屋外の建物の足元に届けてエリア化する「透過型メタサーフェス」も展示されていた。
Beyond 5Gや6Gで利用が想定される高い周波数帯の電波は、障害物を回り込みにくく、減衰しやすい。建物の屋上に設置した屋外基地局アンテナの場合、見通せない場所には電波が届きにくく、建物の足元のエリア化が困難だという。近くの構造物にアンテナを設置することでエリア化は可能だが、景観の問題で設置できない場合がある。
そこで屋内に設置した基地局の電波を、窓に貼り付けた透過型メタサーフェスで窓ガラスを通る電波の角度を曲げて、建物の足元に届ける。フィルム形状なので屋内側から窓ガラスに貼り付けることができるため、設置が容易。また、透明化処理が可能なので景観や建物のデザインを損ねない。スループットを測定したところ、建物の足元エリアのスループットが向上することを確認したという。
スタジアムなど限定された場所でスポット的に使われるとされるミリ波だが、こうした技術で使える場所が広がっていくかもしれない。
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