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「スマホデビュー」は今や小学生が最多 “勉強中のスマホいじり=サボり”はもう古い?小寺信良のIT大作戦(2/3 ページ)

» 2023年02月22日 10時30分 公開
[小寺信良ITmedia]

「勉強中のスマホいじり=サボり」はもう古い?

 勉強中にもスマートフォンを手放さないということは、10年前は「問題」とされてきたポイントだ。保護者としては「マジメに勉強しろ」という事だろう。ただ当時から、LINEでつながりながら一緒に勉強するという行為は行なわれており、特に受験生の間では、昔ラジオを聞きながら深夜まで頑張っていたものが、友達とのつながりに変わったわけである。それはそれで、一概にはダメとも言えない状況ではあった。

 一方で現在は、ネット上で多くの学習教材が展開されているという事もあり、勉強中にスマートフォンを取り上げる必然性が下がっている様子が伺える。特にYouTubeは学習に多くの影響を与えており、もはや学習はテキストから動画へと移っていこうとしている。

勉強にスマートフォンを活用するのが当たり前に(MMD研究所調査)
学習の中心はYouTube(MMD研究所調査)

 先日も高校生になった娘に夕食の1品をお願いしたところ、探してきたのはYouTubeの料理動画だった。今どき、レシピは動画から探すものらしい。一方でそれは時間効率的にいいのか、あるいは検索性はいいのかといった課題は、今後注目されていくだろう。

 息子は、食事中にもスマホをテーブルの上に置いたままである。何に使うかというと、テレビのクイズ番組で問題が出されたとき、解答を待たず分からない問題は先に自分でネットで調べる。クロアチアの国旗は何色かみたいなのは、ただ回答を待つより自分で調べた方が面白いし、知見も拡がる。

 またテレビの解答を、「えぇ! ホント?」と調べたりもしている。テレビの正解が誤っていることはそうそうないが、マスメディアを疑うというのは、結構大事な視点じゃないかと思っている。自分で調べれば、1つの正解だけでなくより多くの知識が身につくだろう。

 ただこれには、限界もある。地理や歴史の問題は正解を探しやすいが、理科の問題、例えば電球が2倍明るくなるのはどっちの回路かみたいな図版の問題は、検索しづらい。ただこれも、AIを組み込んだサーチエンジンの発達で、徐々にクリアされるかもしれない。

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