ITmedia NEWS > 社会とIT >

「チャットAI検索」でWebの“再起動”が起こる? ChatGPTやBingなどがもたらす可能性小寺信良のIT大作戦(2/3 ページ)

» 2023年02月24日 11時30分 公開
[小寺信良ITmedia]

AIはどうやって回答を探しているのか

 一方で、こうしたAIの要約をどれぐらい信じていいのかは、難しい問題だ。こちらが知らない事を訪ねている以上、その信ぴょう性を確認するには、従来の「ググる方式」でチェックするしかなく、それなら余計に時間がかかってしまう事になる。

 「新しいBing」は、未知の問題に対してどのように回答を作り出しているのか。これを調査するために、筆者を題材にしてみた。

 「小寺信良について教えてください」という質問に関しては、筆者の記事の文末やTwitterに載っているプロフィール情報を参照している。詳細情報の note.com には筆者と西田宗千佳氏が共同で発行しているマガジンがあり、ここにもプロフィールが掲載されている。

プロフィールで参照できる範囲の事は正確

 続けて「小寺信良さんはどんなテレビ番組を作っていましたか?」と言う質問をしてみた。これは筆者が考えたのではなく、Bingが次の質問の候補として提案してきた問いである。

 これに対する回答として、「ミュージックステーション」や「ポップジャム」などを手掛けたとあるが、これは誤りである。ではなぜこのような誤りが出てきたのか。詳細情報として提示されているリンクを見ると、筆者のテレビやレコーダーのレビューで、番組表のスクリーンショットが掲載されている。この画像の文章を読み取って、回答としているようだ。

画像のテキストに本人との関連性を見いだそうとしている

 だから間違うのだ、という話をしたいのではない。こういう探し方かぁ、という一例として捉えるべきである。

 「小寺信良さんはどうして文筆家になったんですか?」という問いに対しては、理由を「テレビ業界の変化についていけなくなった」「自分のやりたいことができなくなった」としているが、これも誤りである。筆者がそのようなことを書いたことはなく、詳細情報のリンク先にもそのような記述は見られない。

理由を、同じようなプロフィールを持つ人の情報から探してきたようだ

 ただ引き続き学習を続けているようで、数時間後に同じ質問をしたところ、推測はできるが確かなことは分からないとしている。情報が少ない場合は無理に回答を作らないというアルゴリズム動作が強くなっている様子が読み取れる。

データが少ないことを曖昧に処理しようとしている

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.