宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、次世代ロケット「H3」の試験1号機の打ち上げ失敗について、第2段エンジン着火指示付近で電源系統に異常があったことを確認した。3月8日に文部科学省で開かれた、宇宙開発利用に係る調査・安全有識者会合で報告した。
H3ロケットは、新開発のエンジンを採用した第1段エンジンと、H2Aロケットに搭載されていたものをベースに開発した第2段エンジンを搭載した2段式エンジンを採用。7日午前10時37分55秒に打ち上げられた。
打ち上げ約5分後、第1段エンジンの分離に成功し、機体側から第2段エンジンへの着火指示(SEIG)を送信。第2段エンジン側でも受信を確認したが、第2段エンジンは点火しなかった。
第2段エンジンへの着火指示付近で、電源系統の異常があったという。機体側かエンジン側の要因かは調査中としている。
第2段エンジンは、電気的なイグナイターで酸素と水素を燃焼させて着火する仕組みはH2Aと同じだが、電気的なネットワークは異なるという。
打ち上げ約14分後に指令破壊されたロケットの破片は、あらかじめ計画されていた落下予想区域の海上に落ちたと解析している。
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