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WBC優勝の号外配布で大混乱 スマホで読める「電子号外」へのシフト進むか(1/2 ページ)

» 2023年03月23日 10時38分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 日本が世界一を奪還した「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(以下WBC)。劇的な勝利もあり、多くの新聞が号外を出した。紙の号外がさっそくフリマサイトなどにあふれる一方、「電子号外」をうたうデジタル版も存在感を増した。

メルカリで「WBC 号外」で検索した結果

 試合の終了後、多くの人が号外の配布を待っていたJR新橋駅前では配布が始まるとひどい混雑となり、駆けつけた警察官がスタッフに代わって号外を配る場面もあったという。同様の混雑は各地で見られ、大阪・道頓堀で配布の模様を取材していたテレビ大阪は「人が殺到して危険な感じです」と報じた。Twitterでも混乱する現場の様子が写真付きで多数投稿されており、中には「人が集まりすぎ」「けが人でるぞ」など切迫した状況を伝えたものもある。

 一方、配布が始まった直後から「メルカリ」などのフリマアプリには各紙の号外があふれた。多くは数百円から数千円の値が付けられ、中には同じ新聞の号外を複数セットにした出品もあった。こうした状況から、いわゆる“転売ヤー”(今回は無料配布)の関与を指摘する声も上がっている。

「電子号外」にも様々な工夫

 号外を求める人が集まり、大混雑になること自体は今に始まったことではない。例えば2019年に元号が「令和」に決まったときにも各地で号外が配られ、同様の混乱があった。新聞社は当時から号外をPDFなどで配布する「電子号外」を出していたが、当時は知らない人も多かった

 今回は新聞社が公式ツイートなどに号外の画像データを添付するケースが増え、閲覧数から多くの人が目にしたことも分かるようになった。他にも告知ツイートにPDFを添付したり、自社サイトのURLを記載したりとやり方はそれぞれで、コンビニのマルチコピー機で販売しているケースもある。

 紙の号外はファンにとって優勝の記念品にもなり、また配布する場所にいなければ入手できないから希少性もある。しかし情報が欲しいだけならスマホで十分。スマートフォンなどで読みやすいサイズに拡大・縮小して閲覧でき、各紙の写真や記事を見比べたりすることも容易だ。記念品としての意味は薄れるが、配布時の混雑抑制・安全確保といった意味でも今後はシフトが進むことを期待したい。

コンビニのマルチコピー機で号外を購入する方法(画像は日刊スポーツのツイートより)
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