Insta360 FlowとiPhone 12 Pro Maxと合わせて使ってみました。肝心のジンバルの補正力を見てみましょう。
他社製のジンバルと比較して、特段に優れているということはありません。超広角なパノラマ写真、タイムシフト、モーションタイムラプス、バレルロール、ドーリーズームといった撮影モードも他モデルで体験したことがあります。
ジンバルの構造によるブレ補正力や撮影モードのバリエーションは、すでに十二分なクオリティーを実現しているということなのでしょう。そこでスマホ側の専用アプリ(iOS、Android)での差別化が重要視されます。
Insta360 FlowはInsta360アプリと合わせて使うことが前提となります。このアプリの性能によって、トラッキング性能などに差が出ます。
Insta360特有の「ディープトラック 3.0」と呼ばれるトラッキング機能には以下の特徴があります。
一度設定したトラッキング対象を見失いにくいのはInsta360 Flowの大きな利点。特に人間を被写体にしている際のトラッキング性能が秀でています。人間の形状を認識しているだけではなく、服の色なども見ているのでしょうか。被写体とInsta360 Flowの間を他の人が通りかかってもトラッキング対象は元のまま。これなら、混み合う観光地などでも確実な撮影が可能です。撮影が可能な音楽ライブなら、ステージ上のミュージシャンもしっかりとトラッキングしてくれるでしょう。
今回は試せなかったのですが、バスケットゴールとバスケットボールを認識するフープモードも興味深い存在です。これならシュートシーンを撮り逃すことがありません。他のスポーツやアクティビティーに合わせたモードを追加してほしいと願ってしまいますね。
どういった動画コンテンツに仕上げたいかのイメージをテンプレートで教えてくれるジーニーも、スマホ動画を作り慣れていない人にとっては頼もしい機能となるでしょう。
冒頭でも触れた通り、スマホ本体のブレ補正技術もかなり進化しているためスマホジンバルは不要だと考える人もいるかもしれません。Insta360社は現在の製品ラインアップでアプローチできていない層に自社の技術を届けることを目指しているといいます。
「最高のカメラは、あなたが持っているものであり、ほとんどの人にとって、それはスマートフォンを意味します。(中略)Insta360のAI画像処理の専門知識を用いたFlowは、特に低照度下も優れた手ブレ補正で、よりシネマティックなアングルを実現し、スマートフォンで優れたクリエイティブコンテンツを撮影・編集するのに役立ちます。Flowは単なるスタビライザーではなく、オールインワンツールなのです」(報道向け資料より)
確かにスタビライザー以外の機能も豊富です。例えば2900mAhという大容量の内蔵バッテリーは頼もしい存在です。12時間の連続駆動が可能だから再充電の手間が減りますし、スマホへの給電も可能。付属のスポットライトを装着して、暗い場所でもノイズを減らした撮影もできます。
「Rode Wireless GO」など、他社製のコンパクトなワイヤレスマイクに合わせたコールドシューを備えているのもポイント。より高品位な動画を撮るためのアイデアが多数盛り込まれています。
本体及び付属オプションで、スマホでの撮影領域を大きく広げてくれるジンバルですし、はじめてのスマホジンバルとしてもよし。従来の大きめのモデルからの買い替えにも向いているといえるでしょう。
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