　360度の全天球カメラが得意なInsta360社が送り出してきた新たなガジェット。とはいえ、スマホジンバルは多くのライバルが存在している市場です。さらにスマホ本体のブレ補正技術もかなり進化しており、スマホジンバル自体がもう不要であると考える人も増えてきているのではないでしょうか。そのような状況下で、Insta360 Flowにはどんな評価ポイントがあるでしょうか。実機を試してみました。

ポケットサイズに折り畳めるから持ち運びがラク

　近年のスマホジンバルはコンパクトに折り畳めるものが大半です。しかしいくら小さいといっても、ポケットサイズというにはやや無理があるものがほとんど。スマホ本体を保持したりモーターを動かしたりといったジンバル特有のハードウェア機構や安定したグリップ感の確保といった要素を考えると、小さくしすぎるのは難しいのかもしれません。

　しかし、Insta360 Flowは想像以上に小さくなります。スマホを固定するクリップを外して折りたためば、パーカやトラックジャケットのポケット、ワークパンツの腿ポケットならそのまま入るサイズです。

　コンパクトな性能を追求したせいか、標準状態だと握りが浅くて落ち着かないという気持ちになるほどです。そこでポイントとなるのが付属のグリップカバー。エラストマーと思われる素材で弾力性がありホールド性が改善。本体に装着したままでも折り畳めます。

　折りたたみ状態から使用状態にするには、アーム部を180度回転させ、クリップ装着済みのスマホを固定するだけ。アームを動かした時点で電源が入り、スマホとのペアリングも行われます。そしてクリップと合わせるとスマホの装着状況を素早く認識して、ジンバルモーターが駆動開始。バランスを取ります。iPhoneであれば、自動録画開始機能も使えます。

　縦位置、横位置の変更はグリップ部のコントローラーでも行えますが、装着したスマホを動かすことでも変えられます。クリップを外せば即座にモーターへの給電がストップし、アームを折りたためばスリープモードに入る。この一連の流れが極めてスムーズです。

　従来のスマホジンバルは一度装着したスマホ（とクリップ）を外すと、軽くなった状態でのバランスを取ろうとジンバルモーターが震えだすことがありました。こういったガジェットに慣れていない人からすると、壊れるんじゃないか、いや壊れたんじゃないか、と感じてしまうほどの荒ぶりを見せました。しかしInsta360 Flowを使っていて、そういった不安を感じることはありません。