「Tracersオールカントリーに追随した信託報酬の引き下げは行わない」。競合投資信託である「eMAXIS Slim オールカントリー(全世界)」を運用する三菱UFJ国際投信は、ITmediaの取材に対し、こうコメントした。
全世界株式インデックスに投資する、日興アセットマネジメントのネット専用投資信託「Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界)」は、eMAXIS Slim オールカントリーの約半分となる0.05775%という信託報酬を掲げ、4月26日に運用を開始する予定だ。一方で、eMAXIS Slimは“業界最低水準のコストを将来にわたって目指し続ける”ことを掲げており、その対応が注目されていた。
Tracersオールカントリーは、「指数の標章使用料」が信託報酬に含まれず、また年率0.1%を上限とした額をその他手数料から徴収できると、有価証券届出書に記載している。指数の標章使用料、つまり連動する指数であるMSCI ACWIの使用料は各社とも非公開だが、信託報酬がこれだけ下がる中では小さな額ではない。
「弊社ファンドでは、指数の標章使用料は信託報酬率に含めており、信託報酬水準が公正な比較対象とならないため、現時点では追随しない方針」(三菱UFJ国際投信)
実質的な運用コストは、信託報酬に加え、“隠れコスト”などと呼ばれる「その他手数料」によって決まる。信託報酬だけでは、運用コストの多寡を比較できない時代に入ってきたというのが、三菱UFJ国際投信の主張だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR