ITmedia NEWS > 速報 >

黄砂飛来、どこまで来ているか知る方法

» 2023年04月12日 21時54分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 日本気象協会によると4月12日は北海道から東北、九州まで広い範囲で黄砂の飛来が確認されたという。13日にかけて関東や東海など太平洋側にも影響すると予想している。

 黄砂は中国内陸部にあるタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原といった乾燥地域から風に巻き上げられた砂が偏西風に乗り、他の国や地域にまで届く現象。飛来すると洗濯物やクルマが汚れたり、見通しが悪くなって交通に影響が出たりする。また近年では空気中の花粉と接触して破裂させ、より微細なアレルゲンとなる“粉砕花粉”の原因の1つともいわれる。

破砕花粉のイメージ(ダイソンの報道資料より)

 厄介者の黄砂がどこまで来ていて、地上にも降りているのか。黄砂との付き合いが長い日本では、観測データを研究者のみならず一般にも公開している。

宇宙から見たような画像にもなる「気象庁 黄砂情報

気象庁 黄砂情報の13日午前0時の予測

 気象庁は、気象衛星「ひまわり」や地上設置型のスカイラジオメーター(太陽光や散乱光の強さを測定してエアロゾルを観測する装置)などを使って黄砂の分布と濃度を計測している。黄砂情報では日本周辺を一辺約50kmの格子状に分割し、濃度で色分け。黄色から赤まで色の変化で黄砂の飛散具合が分かる。

 表示の種類を「ひまわり黄砂監視画像(トゥルーカラー再現画像)」に切り替えると、まるで衛星から人の目で見たような画像になる。気象衛星が撮影した様々な画像(可視3バンド、近赤外1バンド、赤外1バンド)に自然に見えるよう色を再現した。

 トゥルーカラー再現画像では、黄砂を黄色で表現したため、まるで舞い上がった砂ぼこりのように日本列島に迫る黄砂の様子が分かる。画像は1時間に1度更新され、直近6時間の画像を動画のように再生することもできる。

「ひまわり黄砂監視画像(トゥルーカラー再現画像)」

高度別の濃度が分かる「環境省 黄砂飛来情報

環境省 黄砂飛来情報

 環境省の「黄砂飛来情報」では、黄砂や大気汚染物資などの粒子状物質をリアルタイムで観測できる観測装置「LIDAR」(Light Detection And Ranging:ライダー)を使い、各地の黄砂濃度を示した。

 ライダーはレーザー光が微粒子に当たりはね返ってくる量から浮遊物質の量を推定するというもの。この特性を利用して上空6kmまでの濃度を色分け表示できるのが特徴だ。例えばグラフの上部のみが濃い色(赤から黒)になっている場合、黄砂は地上に飛来しておらず上空を通過していると考えられる。

地上からの高さで色分け。黄砂が地上に飛来しているか分かる

 これらのWebサイトを活用すると天気予報より早く細かい情報が得られる。自分の住む地域にどのくらい黄砂が飛来していて、地上に迫っているか。外出の前にチェックしてはいかが。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.