新年度が始まって早1カ月。新しいことにワクワクしながらも、初めての環境に緊張しっぱなしだったので一息入れたくなった人もいるだろう。幸いにもゴールデンウイークは仕事を忘れられるので、頭を空っぽにして過ごせるはずだ。
そんなときは仕事用PCの電源を入れないのはもちろん、スマートフォンも手にすると仕事を思い出すので遠ざけておきたい。業務メールに気付いたら、つい読んで作業をしてしまうから。電子機器やインターネットから距離を置く「デジタルデトックス」というやつだ。
とはいえ、個人的な連絡や写真撮影、SNS投稿に必要なスマホを完全に使わない生活は難しい。スマホを適度に使いつつ、仕事から離れる良い方法を探している人もいると思う。
この連載で紹介してきたGoogleのITコンテンツまとめ「Experiments with Google」にヒントがあるかもしれない。テクノロジーの活用を推奨するだけだと思われがちだが、画面上の花を眺めて疲れを癒やすWebアプリ「In Rhythm With Nature」などテクノロジーと人間の関係性に重きを置いたコンテンツもある。
試しに探してみたところ、デジタル機器を健全に使って健康的に過ごす取り組み「デジタルウェルビーイング」のコーナー「Digital Wellbeing Experiments」が見つかった。これは役に立ちそうだ。詳しく見てみよう。
「Experiments with Google」は、GoogleがAIやARといった最新テクノロジーの可能性を示すために、実験的な応用例を紹介するショーケースだ。膨大なコンテンツを公開しており、その多くはスマートフォンやPCで試せる。
この連載では、多種多様な応用例の中から興味深いものをピックアップ。実際に遊んだ体験レポートを通して、裏側にあるテクノロジーや技術の活用方法とその目的を解説する。
まずはスマホから離れる試みを紹介する。スマホや携帯電話がなかったころの生活を振り返ってみてほしい。連絡先やスケジュール、ToDoリストなどは、手帳に書き込んで管理していた。「Google Map」なんて便利なものはなく、初めての場所へ行くときは地図帳や印刷した地図を持って道を探しながら向かったものだ。
不便ではあったが、余計なものに煩わされないというメリットもあった。今思えば、読書や友達との会話を楽しむことに多くの時間を費やせたし、アナログならではの楽しみもあった。
それなら、紙でいいじゃない――そんなコンセプトのAndroidアプリが「Paper Phone」だ。スマホ内の情報を紙に印刷して使うというもので、スマホの利便性と紙のメリットを組み合わせてデジタルデトックスできるらしい。
Paper Phoneは、連絡先やスケジュール、ToDoリスト、地図、天気情報など8項目を紙に印刷できる。外出先で必要になりそうな項目を印刷し、スマホを置いて紙だけ持ち出せば、生活がとてもシンプルになる。
情報は紙面にうまくレイアウトされるので、見やすい形に折りたためて持ち歩きやすい。紙に切り込みを入れて非接触ICを挟み込んでおくと、スマートフォンのようなタッチ決済だって可能だ。
残念なことに現在Paper Phoneアプリは入手できない。しかしGitHubにアプリのソースコードがオープンソースで公開されているので、腕に覚えのある人はダウンロードして使ってみるもよし、自分向けに調整してみるもよしだ。
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