米Microsoftは5月9日(現地時間)、3月に発表した「Microsoft 365 Copilot」の招待制有料プレビューの開始と、複数の新機能追加を発表した。
Microsoft 365 Copilotは、米OpenAIのGPT-4を含むLLM採用のビジネス支援ツール。WordやExcelなどでチャットで命令することでAIに作業させることができる。
これまで20社のみが利用できていたが、招待制の有料プレビュー「Early Access Program」でさらに600社を招待する(価格は発表していない)。
「Semantic Index for Copilot」は、Microsoft 365 E3とE5で提供する新機能。例えば「3月の売上報告書」について質問(検索)すると、従来のようにファイル名やファイルに含まれるキーワードに基づいて関連ファイルを表示するのではなく、売上報告書というものが財務チームの誰が作成するもので、それがExcelのファイルであることなどを概念的に理解し、その理解に基づいて質問の意図を汲んだ答えを表示するという。
この機能は、Copilotを使っているかに無関係にE3およびE5の顧客の検索結果に反映される。
以下のような新機能が追加された。
手書きコラボアプリの「ホワイトボード」のCopilotに自然言語によるプロンプトで特定のトピックに関するアイデアを生成させたり、OpenAIの画像生成AI「DALL・E 2」採用のデザインアプリ「Microsoft Designer」でテキストのアイデアを画像に変換させたりできる。
ホワイトボードでのブレーンストーミングが終わったら、これをCopilotにまとめさせることもできる。
PowerPointにもDALL・E 2が統合されているため、言葉のプロンプトでスライド用の画像を生成できる。また、文章による説明を簡潔な箇条書きに変換したり、プレゼンの流れを改善する。
Outlookでは、メールを下書きすると、それを明確に改善し、シチュエーション(苦情や督促、解雇通知など)に合わせた適切なトーンに変換する。
書き留めたアイデアのメモを整理し、箇条書きに要約する。
Loopは、Teams、Outlook、OneNoteなどのアプリを横断して使える、米Notionの情報共有ツール「Notion」のようなプロジェクト管理ツール。アプリを横断してプロジェクトの共同作業の場を提供するが、プロジェクトに途中から参加したメンバーが追いつくのは困難な面もある。
LoopのCopilotはLoopのコンテンツを要約するので、この問題の解決になる。
従業員のスキルアップパスの設計や学習リソースの発見をサポートする。
Microsoftは、365 Copilotの一般公開の予定については発表していない。
米GoogleもMicrosoft 365と競合するGoogle Workspaceに年内に生成AI機能を追加すると発表している。Googleは10日のGoogle I/Oで多数のAI関連の取り組みを発表するとみられる。
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