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“PV詐欺”じゃない、本当にすごい 「Vision Pro」を試してわかった、Appleが作りたい未来(2/3 ページ)

» 2023年06月07日 16時00分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

実空間を使うコンピュータに欠かせない「とある機能」

 もう一つ重要なのは、こうした要素を「周囲の人と切り離されずに使える」ということだ。それをよく表しているのが「EyeSight」という機能だ。

 画面をあえて「今いる部屋」ではなく、全体を(バーチャルな)別の空間に変えてしまうこともできる。山の中に1人でいて、そこで仕事しているような感じにもできる。

 ただそこで、左側に座って説明してくれていた担当者が声をかけてくると、ちょっと面白いことが起きた。その担当者が「いるべき場所」がゆっくりと明るくなり、空間上にその人の姿が見えてくるのだ。

近くに来た人とコミュニケーションを取るための「EyeSight」。自然にその場所にいる人だけが見える。

 反対側から話しかけられれば、今度はその位置にいる人の姿が見えてくる。

 HMDでもヘッドフォンでも、つけていると「話しかけてほしくない」印象ができる。だが、EyeSightによって、周りにいる人に話しかけられても自然に対応ができる。

ヘッドセットを付けたままでも「ビデオ通話」ができる

 FaceTimeでビデオ通話をしてみよう。

 通常、HMDをつけていると「顔がHMDで隠れてしまう」ので、顔出しでビデオ会議をする時は、HMDを外してつなぐ……という必要が出てくる。

 だがVision Proでは「Persona」という機能を使ってこれを回避する。

 Vision Proを使って装着者の顔をキャプチャーし、機械学習を使って生成した「自分のリアルな姿」で、FaceTimeに参加できる。Vision Pro内蔵の「視線追尾機能」を使うことで、目線や表情も再現可能。かなりちゃんとしたコミュニケーションが成立した。

アバター機能「Persona」。自分の姿を機械学習で3D化、ビデオ通話などでアバターとして使う

 こうした機能を使うことで「周囲の中の自分」を崩すことなく、周囲との対話を進めることも可能になる。

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