もう一つ重要なのは、こうした要素を「周囲の人と切り離されずに使える」ということだ。それをよく表しているのが「EyeSight」という機能だ。
画面をあえて「今いる部屋」ではなく、全体を(バーチャルな)別の空間に変えてしまうこともできる。山の中に1人でいて、そこで仕事しているような感じにもできる。
ただそこで、左側に座って説明してくれていた担当者が声をかけてくると、ちょっと面白いことが起きた。その担当者が「いるべき場所」がゆっくりと明るくなり、空間上にその人の姿が見えてくるのだ。
反対側から話しかけられれば、今度はその位置にいる人の姿が見えてくる。
HMDでもヘッドフォンでも、つけていると「話しかけてほしくない」印象ができる。だが、EyeSightによって、周りにいる人に話しかけられても自然に対応ができる。
FaceTimeでビデオ通話をしてみよう。
通常、HMDをつけていると「顔がHMDで隠れてしまう」ので、顔出しでビデオ会議をする時は、HMDを外してつなぐ……という必要が出てくる。
だがVision Proでは「Persona」という機能を使ってこれを回避する。
Vision Proを使って装着者の顔をキャプチャーし、機械学習を使って生成した「自分のリアルな姿」で、FaceTimeに参加できる。Vision Pro内蔵の「視線追尾機能」を使うことで、目線や表情も再現可能。かなりちゃんとしたコミュニケーションが成立した。
こうした機能を使うことで「周囲の中の自分」を崩すことなく、周囲との対話を進めることも可能になる。
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