大阪大学などの研究グループは6月14日、相模中央化学研究所などとともに、北海道の2地域で新鉱物「北海道石」(ほっかいどうせき、学名:hokkaidoite)を発見したと発表した。北海道石には石油生成の謎を解くカギが含まれているという。
北海道石が見つかったのは、北海道鹿追町と愛別町の山林。炭素と水素のみから成る有機化合物の天然結晶で、紫外線を当てると美しく蛍光する特性を持つ。日本で初めて採取できた「多環芳香族炭化水素鉱物」の例でもあるという。北海道石の名前は、国際鉱物学連合にて1月に承認・登録された。
石油や石炭などの有機化合物は、地下深部や海底にある古生物の遺骸が圧力や温度によって変質して生じるものと考えられている。北海道石も同様で、火山活動の熱や熱水によって地下深部の古生物遺骸が変質した鉱物であると研究者らは推測している。このため、北海道石を調べることは、石油生成のメカニズム解明にもつながるという。
鉱石の保護のため詳細な産地は非公開だが、とかち鹿追ジオパークビジターセンターや北海道大学総合博物館などの一部博物館で標本の展示などを行う予定。
この研究の成果は、5月26日に開催した「日本地球惑星科学連合2023年」で口頭講演とポスターで発表された。
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