ITmedia NEWS > ネットの話題 >
ITmedia AI+ AI活用のいまが分かる

コスプレイヤー・えなこさん、自身そっくりの“AIグラビア画像”にコメント 「AIに食われ過ぎて……」

» 2023年06月22日 19時19分 公開
[ITmedia]

 「AIに食われすぎてもう骨くらいしか残ってない」──コスプレイヤーのえなこさんは6月21日、自身に似た“AIグラビア”画像について、公式Twitterアカウントでこのようにコメントした。別のインフルエンサーが「これはえなこさんの画像を食べた(学習した)AIで生成したのでは」といったコメントを添えて投稿した画像に返信した形だ。

 画像生成AIを使って作られた、実在しないコスプレイヤーや女性のセクシーな画像は“AIコスプレイヤー”や“AIグラビア”などと呼ばれ、ネットではその是非が議論になっている。2月にはインフルエンサーが拡散したAIコスプレイヤーの画像が注目を集めた他、5月には集英社がAI生成画像を使ったグラビア写真集を発売。後に販売終了となったが、「グラビアアイドルの仕事が無くなる」「偶然誰かに似た場合はどうなるのか」などと話題になった。

「著名人に似たAI画像」法的に問題は?

 過去にITmedia NEWS編集部がAI領域の法律に詳しい弁護士に取材したところ、著名人を模したAI画像を販売する行為は、パブリシティー権の侵害に当たるおそれがあると指摘。一方で、AIモデルを作るために画像データを収集し、学習に使うこと自体は、パブリシティー権の侵害に当たらない可能性が高いという。

 ただしAIモデルを販売し、購入者が生成画像を販売するなどパブリシティー権を侵害する行為をした場合は、販売主もそのような行為をほう助したと見なされる可能性がある。AIモデルを販売する際、生成できる女優の氏名や写真を付けて販売する行為も、パブリシティー権の侵害や不正競争防止法違反になるという。

photo Civitaiで公開されているLoRA

 なお、学習済みAIモデルを配布する「Civitai」というサービスでは、画像生成AI「Stable Diffusion」でえなこさんに似せた画像を作成するための「LoRA」が、えなこさんとは無関係とみられる人物によって公開されている。LoRAは少量の画像をAIに追加で学習させ、生成結果をある程度コントロールするために使うものだ。例えばこのLoRAを使ってえなこさんに似た画像を生成し、販売した場合は、上述の通りパブリシティー権の侵害などに当たる可能性が高いと考えられる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.