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Google初の折りたたみスマホ「Pixel Fold」を使ってわかったこと 手にしっくりくる“横”の魅力(3/4 ページ)

» 2023年06月27日 16時30分 公開
[山川晶之ITmedia]

カメラ性能は十分?

 高性能スマホには外せない、カメラの性能も気になるところだが、一言でいえば「スペック的には見劣りするがクオリティは十分」といえる。

 最近のスマートフォンは「大型センサー+明るいレンズ」がセオリーとなっているが、これは厚みをある程度犠牲にして成り立っている。例えば、Pixel 7/7 Proのメインカメラは、1/1.31インチの5000万画素センサーに、F1.85のレンズを搭載している。スマホとしては大型の部類だが、引き換えにカメラ部分だけ大きく出っ張っている。この「カメラ部分だけ出っ張る」は、iPhoneにしろ、Galaxyにしろ、最近のスマホだと避けては通れない。

 一方で折りたたみスマホは、すでにディスプレイ2枚分の厚さがあるため、カメラ部分を厚くするのにも限度がある。そのため、あまり大きなセンサーを使うことができないのだ。実際、Pixel Foldのメインカメラは、4800万画素の1/2インチセンサーで、7/7 Proどころか7aよりも小さい(画素数が異なるのでピクセルのピッチ幅は0.8μmで同じ)。メーカーは明かされてないが、一時期ミドルクラスでよく使われていたソニーのIMX586を彷彿とさせる。

 とはいえ、写真のクオリティは十分。光源が強い環境だと少しのっぺりとした写りになるが、ポートレートモードなどは安定していた。さすが、歴代PixelでIMX363という化石のようなセンサーでも高画質を実現してきたPixelチームである。また、ピクセルビニングで普段は1200万画素のセンサーとして、2倍ズーム時は4800万画素に切り替えて中心をクロップすることで2倍ズームを実現する機能もある(動画はデジタルズーム)。

(クリックで拡大)ポートレートモードで撮った猫ちゃん
(クリックで拡大)強い光源がなければ比較的安定している

 5倍ズームはペリスコープ式で、センサーサイズは1/3.1インチの1080万画素。Pixel 7 Proみたいに、5倍の望遠カメラに4800万画素のセンサーを積み込むのは難しかったのだろう。高画素クロップによる10倍ズームといった芸当はできないが、小さいセンサーにしては十分に写る。夜でも夜景モードを使えばくっきりだ。その他、1080万画素の超広角カメラ、950万画素の前面カメラ、内側のディスプレイには800万画素のインナーカメラも搭載する。

(クリックで拡大)夜景モードで5倍ズームを使って撮影してみた
(クリックで拡大)0.6倍の超広角カメラで撮ってみた

 ディスプレイが180度開くヒンジを生かした機能もある。ヒンジでカメラの角度を付けられるので、半折りたたみの状態でテーブルに置けば、簡易三脚のように使うことができる。時間がなくて試せなかったが「天体撮影モード」も使いやすいだろう。さらに、180度開き切ることで、外側ディスプレイをメインカメラの「自撮りプレビュー画面」に使うこともできる。この状態だとシャッターボタンがタップしづらいが、ボリュームキーを使えば解決する。

ヒンジでカメラの角度がつけられるのは便利
外側ディスプレイを自撮り画面として使える

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