さらに「ミニ扇風機」は、機構の再現性にもこだわって開発した。例えば、押し込みが深く、少し重いボタンでは、押し込んだ先でガチッとスイッチが入るメカメカしいクリック感を体感できる。ボタンは切、弱、中、強の4つ。さらにダイヤル式のタイマーも搭載する。切ボタンを押すと、押されていたボタンがバチンと戻る感覚も懐かしい。
「今の扇風機は、首振り機能などはすべて操作ボタンで行いますが、その点もモーター部分に首ふり解除ボタンを配置していて、昔らしさにこだわりました。内部的には、回路などを搭載しない、いわゆる『メカ扇』です。この言葉も死語かもしれませんね(笑)」(折本さん)
さらなるこだわりは、パッケージにも表れている。梱包には、あの頃のデザインを採用。これも現物がないなかで、確認できる資料や写真などを参考にデザインしたという。買ったそのときから、昭和レトロ感を味わえるようこだわった。
逆にあえてレトロに寄せなかった部分もある。それがファンの羽根の枚数だ。昭和の扇風機の羽根の枚数は3枚か4枚で、シンプルな団扇型がほとんど。しかし、ミニ扇風機ではあえて流線型の5枚羽根を採用している。
「やはり柔らかい風を出すには、羽根の枚数はやはり多い方がいいんです。お客様が実際に使って『風を感じてもらう部分』に関しては、現代風にしています。ただ、この点にももいろいろな意見があり、昔ながらの3、4枚の羽根が良かったというお客様の声があることも把握しています」(折本さん)
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