パナソニックによる値引き不可の商品戦略、いわゆる「メーカー指定価格」が話題になっている。
この施策は、実は2020年の春から始まっており、既に2年半の月日が流れている。パナソニックによると、「指定価格」の製品の売り上げ額は、20年度は全体の2%、21年度は8%を占めるまでになっており、22年度は20%まで高めたいとしている。
パナソニックが「新スキーム」と呼んでいるこの施策を改めて説明すると、一部のフラグシップモデルに関して、家電量販店が在庫リスクを負わない代わりに、パナソニックが販売価格を指定し、そこからの値引きを認めないというもの。ショップの独自ポイントも、指定価格に上乗せされる形で付与されており、実質的に売価はどの店舗で買っても同じとなる。
通常の取引では、家電量販店がメーカーから仕入れた段階で商品は基本的に家電量販店の所有物となる。いわゆる「買い取り」だ。
量販店は他社との競争や、発売から時間が経過した製品の価格を下げたり相対接客で値引きをしたり、ショップポイントを付与したりするが、その原資はメーカーから「販促奨励金」や「在庫処分費」などの名目で引き出す。いわゆるリベートである。指定価格の対象となる製品はこのリベートがないため、値下げもポイントの付与もできない。ポイントを付与したとしても、その分の価格が上乗せされ、より高額となるだけだ。
ただ、指定価格製品は一切値下がりしないかというと、そうではない。時間経過とともにパナソニック自身が段階的に価格を下げる製品もある。特に、新製品発売前には現行モデルの価格を下げている。
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