導入から2年半が経った今、パナソニックの施策は成功しているのだろうか。
どうやら、家電量販市場でパナソニックの金額シェアは落ちているようだ。突出した製品力・ブランド力のある一部の小型家電分野は影響を受けていないが、大型家電分野の中にはシェアが大きく後退した製品もある模様。
先に述べたように、指定価格ではない下位モデルに流れて単価が下落していることも影響がありそうだ。また、パナソニックのフラグシップモデルが値引きできないことをこれ幸いにと、競合メーカーが販促費を投入して値引き額を拡大したり、年度末決算・半期決算キャンペーンでショップポイントを拡大したりと、シェア獲得に攻勢をかけているのも目立つ。
「単価が上がると、どうしても販売数量が落ちて金額シェアも落ちる。だが、マーケティングコストが下がっているので利益が上がっているようだ。今はまだ、指定価格の導入期だからシェアが下がってしまうが、この施策が定着し、競争力のある唯一無二の製品が出てくれば、パナソニックの狙いは成功するだろう」と家電量販店関係者は話す。
現状ではパナソニック以外に拡大する兆しはないが、この施策の導入で危機感を抱く家電量販店関係者も多い。単なる場所貸しビジネスとなり、店舗としても競争力も魅力も失われてしまうからだ。どこに行っても同じ価格ならば、自宅近くの店、在庫があってすぐに届けてくれる店が有利になるし、それこそネット通販でよい。これを機に、メーカーのダイレクト通販が一気に拡大するではないかという危惧もある。
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