この施策に対して家電量販店側は概ね好意的な態度を見せている。一部、価格競争力のある(相対値引きが得意な)量販店からは反発があったものの、「価格交渉の時間がなくなり、その分、商品の説明がしやすくなる」といった前向きな発言も多い。
というのも、対象商品が競争力のあるフラグシップモデルに限られているからだ。現場の店員らの話は以下のようなものだった。
パナソニックの指定価格制度の真の狙いは、「リベートという慣習の排除を狙ったもの」と見る向きがあるが、「値引きのための原資だけでなく、そのほかにもさまざまな種類のリベートがあり、そう簡単にはなくならないだろう」(量販関係者)ということだ。また、もともとは値引き原資ための販売奨励金だったので、そもそも値引きがなければ高い利益率を確保できるのだから関係ないとする意見もある。
一方で、「ネット通販の排除を狙ったものではないか」という見方もある。ネット通販は価格下落の急先鋒であり、それに引っ張られて量販店のネット通販価格、店頭価格がドミノ式に崩れていく。また、正規に卸ルートを持っていないにもかかわらず、パナソニック製品を取り扱っているネット通販業者もいる。メーカー側が在庫を管理することで、こうした非正規ルートを撲滅できるのではないか、という見方だ。実際、指定価格製品の多くは、低価格がウリのネット通販から姿を消している。こうしたことも、家電量販店が同制度を好意的に捉えている一因になっている。
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