写真のような画像を生み出す生成AIが続々と登場する中、それをビジネスにつなげようとする動きも続出している。週刊プレイボーイでデビューしたAIグラビアアイドル「さつきあい」は、実在のアイドルの仕事を奪うといった批判も続出し、1週間でお蔵入りに。一方、AmazonやYoutubeには大量の「AI生成グラビア」コンテンツが登録され、存在感を示し始めている。
こうした非実在のデジタル人物はビジネスや世の中をどう変えるのか。7月7日から放送が始まったアニメ「AIの遺電子」の原作者である山田胡瓜さんと、亡き妻の面影をAIを駆使して再現する取り組みで「第1回 AIアートグランプリ」の最優秀賞を受賞した「松尾P」こと松尾公也さんが語り合った。
(聞き手・執筆:井上輝一)
松尾 ところで、最近ITmedia NEWSでも取り上げて話題になった、集英社のAIグラビア。あれ面白いと思っていて、多分使われているのは「BRA」という、Stable Diffusionのバリエーション的なAIモデル。何の略かというとBeautiful Realistic Asiansなんですが。
山田 そのまんまの名前ですね。
松尾 これまでのStable DiffusionやMidjourneyってアジア人、特に日本人の顔がうまく描けなかった。日本人的な美人を描けるようにしたのが、ちょっと前だと「ChilloutMix」というStable Diffusion派生モデル。それをベースにした生成写真が「#AIグラビア」のハッシュタグで大量投稿されるという事態も起きた。
そこからまた一歩進んだのがBRA、バージョン5が最新版ですが、それを使ってみるとやっぱりきれいな女の人が描ける。ただ素のままで出すとみんな同じような顔になっちゃう。
集英社のはこれともちょっと違う。大体はBRA的な顔立ちと体つきなんですが、よく見ると既存のグラビアアイドルと似ているのではないかという指摘が話題になっていて、その人を集中的に学習したモデルなのか、あるいはそういうファインチューニングをしているのか、そのどっちかなんじゃないかと。
山田 ちょっとリスクがありますよね。
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