米Googleで2021年からAR担当シニアディレクターを務めてきたマーク・ルコフスキー氏(62)は7月10日(現地時間)、離職するとツイートで発表した。「最近のARトップの交代と、Googleのコミットメントとビジョンの不安定さが、私の決断に重くのしかかった」としている。
ARトップの交代とは、クレイ・ベイバー氏の退社を指すのだろう。ベイバー氏は18年もの間Googleに在籍し、2013年からVR/ARに取り組んできたが、3月に新会社を設立し、Googleを退社すると発表した。
Googleのビジョンが不安定、というのは、例えば昨年のGoogle I/Oで予告していたARメガネについて、今年のGoogle I/Oの基調講演では全く触れなかったことなどを指すのだろう。
また、Googleは3月、「Google Glass Enterprise Edition 2」の販売を終了している。
GoogleはARから撤退したわけではないが、ハードウェアではなく、AR向けのソフトウェア開発にシフトしたとみられている。同社は2月、韓国Samsung Electronicsと米Qualcommと共同で、次世代XR体験を構築すると発表した。
ルコフスキー氏は2004年、1988年に入社した米MicrosoftからGoogleに転職した後、VMwareを経て2017年に米Facebook(現Meta)傘下のOculus VRに参加。OS担当のジェネラルマネジャーを4年務めた後、再度Google入りし、ARに取り組んできた。
同氏は「私は今後、XRと生成AIの融合をさらに進歩させる機会を模索したい」ともツイートした。ベイバー氏の新企業(企業名はまだ発表されていない)に参加するのかもしれない。
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