米国の作家の経済的地位向上を目的とするAuthors Guild(全米作家協会)は7月18日(現地時間)、米OpenAIなどの生成AIに取り組む企業のCEOに対し、AIのトレーニングに作家の作品を無断で使わないよう求める書簡を公開した。本稿執筆現在、8500人以上が署名している。
宛先は、以下の企業のCEOだ。
書簡には、「大規模言語モデル(LLM)で構築される生成AIは、われわれの著作物のおかげで存在する」「これらのテクノロジーは、われわれの言葉、物語、スタイル、アイデアを模倣し、逆流させている。著作権で保護された何百万もの書籍、記事、エッセイ、詩が、AIシステムの“食料”として無償で使われている」とある。
生成AIを手掛けるほとんどの企業は、モデルのトレーニングに使っているデータの出処を明示していない(Googleはネット上の公開情報を利用していると明記している)。
少なくとも、宛先の企業は出版社からライセンスを取得してはいない。
公開書簡では以下の3点を要求している。
全米作家協会の代表、メアリー・ラセンバーガー氏は米NPRに対し、「訴訟には莫大な金と時間がかかる」ので、提訴はしないと語った。
Google、ネット上の公開情報をAIのトレーニングに利用しているとプライバシーポリシーに明記
日本俳優連合が“生成AI”に提言 「新たな法律の制定を強く望む」 声の肖像権確立など求める
文化庁の「AIと著作権」の解釈が話題に AIに詳しい弁護士「かなり踏み込んだ内容」
ChatGPTは「ハリー・ポッター」を読破済み? 生成AIで懸念される著作権侵害のリスクとはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR