　2023年度のバーチャルYouTuber（VTuber）市場は800億円に到達する見込み──矢野経済研究所は7月25日、そんな調査結果を発表した。これは、同じオタク・サブカルチャーである「同人誌」（21年度の小売金額ベースで800億円）や「トレーディングカードゲーム」（TCG、21年度のメーカー出荷金額ベースで792億円）と同規模であるという。

VTuber市場、23年度には800億円に到達見込み

　国内のVTuber市場の調査をしたところ、22年度には520億円（前年度比167.7％）まで拡大。内訳は、グッズが267億円（構成比51.3％）、ライブストリーミングが135億円（同26.0％）、B2Bが78億円（同15.0％）、イベントが40億円（同7.7％）となった。同研究所は「伸び率は落ち着いてきているが、23年度には800億円（前年度比153.8％）になる見込み」と分析している。

VTuber市場規模推移

VTuber市場セグメント別構成比（22年度）

　「VTuberはアバターで活動しているため、そのキャラクターデザインを用いたグッズ販売などのIPライセンスビジネスの展開が見られる。また、VTuberは純粋なアニメキャラクターではなく、演者（中の人）のオリジナリティーを反映したキャラクターを形作っていくという特性もあり、その人らしい『生の声』で情報発信するインフルエンサーとして、企業とのタイアップ広告などでの活躍も期待される」（矢野経済研究所）

　22年以降、VTuber事務所を運営するANYCOLOR（東京都港区）やカバー（東京都中央区）などがグロース市場に上場している。また、海外からの人気も高く、大手事務所を中心に海外でVTuber事務所を設立する動きもある。これらから同研究所は「VTuberは新興コンテンツとしての地位を確立してきている」と指摘している。

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