続いて、夏の句を味わおう。トンボのマークをクリックしたところ、次の俳句が表示された。
The old pond, a frog jumps in.
The sound of water.
トンボを題材にした俳句かと思いきや、予想に反して蛙の句が表示された。有名な松尾芭蕉の俳句「古池や 蛙飛びこむ 水の音」を英訳したものだ。
英訳は良い。しかし効果音と映像がいただけない。池に拳ほどある大きな石を投げ込んだような「ドボン!ドボン!」という音が鳴り、その後で水面から蛙が顔を出す。2つ用意された音楽も、人気(ひとけ)のない古池が感じられない。
このAIには“わび・さび”の趣を学習させなかったのかもしれない。
気を取り直して、秋へ移る。黒い鳥の羽のマークをクリックして表示されたのが次の俳句だ。
On a withered branch
A crow is sitting
This autumn evening
オリジナルは「枯枝に 烏のとまりけり 秋の暮」というもので、これも松尾芭蕉の作品だ。効果音は、少し恐ろしさが強すぎるように感じるが悪くない。一方、音楽を再生するとホラー映画のオープニングのようで、句のイメージと違う。ヒッチコックの「鳥」やスティーブン・キングの作品を思い浮かべてしまった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR