令和は多様性の時代。IT業界でもさまざまな人が働いている。海外から来たITエンジニアなどもその一例だ。とはいえ、いざ外国人エンジニアと一緒に働くとなると、考え方の違いを感じる人もまだいるかもしれない。
そこで本連載では、実際に日本で働くITエンジニアの人たちにインタビュー。日本に来た理由や、日本で働くことの印象などを聞いていく。第2回は、法務向けSaaSを手掛けるLegalOn Technologiesで働くマイケル・ショーネカーさんに話を聞いた。
──自己紹介をお願いします。
ショーネカーさん(以下敬称略) マイケル・ショーネカーといいます。大学で日本語を専攻し、交換留学で神戸大学にやってきました。大学卒業後はロースクール(ジョージワシントン大学)に入学し、さらに早稲田大学でMBAを取得した後、ニューヨークにある法律事務所に勤めました。
その後転職し、日本で企業法務として働いていましたが、コロナ禍の影響もあって2022年から23年にかけて米国に帰国しました。その間にソフトウェアエンジニアリングの教育プログラムに参加し、23年6月からはLegalOnで製品の企画や開発に携わっています。
現在は、弁護士の視点でサービスにアドバイスしたり、生成AIを活用した機能や、そのプロンプトエンジニアリングを手掛けたりしています。自社の海外事業にも関わっていますね。住んでいる場所は渋谷区です。
──日本の大学に留学し、日本で働く理由を教えてください。
ショーネカー きっかけはアニメですね。5歳か6歳くらいのとき、親戚が訪ねてきて、「ドラゴンボール」のVHSをみんなで見ることになりました。すぐあとにテレビでも放送するようになって好きになってしまいました。
中学〜大学のときも、近所のレンタルビデオ屋に日本のアニメがあり、友人と一緒に週末に“一気見”するのが習慣でした。学校の(異文化学習の)授業でも茶道など日本の文化に触れる機会がありましたね。
──弁護士から開発者というのは異色のキャリアと思います。なぜ現在の職に就いたか、考えを教えてください。
ショーネカー 法律事務所も途中で経由した企業法務も、担当している案件1件ずつしか解決できません。ある問題を解決しても、対処した問題そのものが解決するわけではなく、目の前の案件が一つ終了するだけです。なので、対症療法ではなく原因療法がしたくて今の仕事を選んだ、というイメージでしょうか。
もう一つ、もともとプログラミングにずっと関心があったというのもあります。子供のころから趣味程度にはやっていましたが、本格的に取り組んだことはありませんでした。
本当は大学で学びたかったのですが、スケジュール的に日本語の勉強と両立できず、どちらかを選ばなければいけなくなり、日本語を選びました。しかし、コロナ禍で帰国したときに時間ができたので、そのタイミングで教育プログラムを受けました。
──日本企業も数あるかと思いますが、その中でLegalOnを選んだ理由を教えてください。
ショーネカー 企業法務をしていたときの日本企業が、LegalOnのサービスを導入するか検討しており、そこで名前を知りました。実際に調べてみると、プログラミングや法律、そして経営の知識をすべて生かせると知り、そんな会社はなかなかないなと思って選びました。
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