総務省所管の公的研究機関・情報通信研究機構。IT業界で働く人なら、一度は聞いたことがあるはずだ。「情報通信研究機構」は知らなくても、略称の「NICT」(National Institute of Information and Communications Technology)は知っているだろう。ITmedia NEWSでもたびたび取材したり、発表を取り上げたりしている。
ところでこの「NICT」という略称、どのように発音するのが正解かご存じだろうか。筆者はカジュアルな場では「ニクト」、そうでない場合は「エヌアイシーティー」と読んでいたのだが、先日SNSで「ニクトは正しい呼び方ではない」という声を見かけた。
どうやら、ニクトだと外国語のスラングと似た音になるので「エヌアイシーティー」と読むのが正しいとか。とはいえ、あくまでネットのうわさだ。どれ、記者としていっちょ真相を聞いてやるか──と、NICTに直接聞いてみたら、意外な事実が判明した。
NICTに「NICTはどう読むのが正しいのか」と直接聞いたところ、正しい読みは「エヌアイシーティー」との答えが返ってきた。実際、2022年公開の公式PR動画でも「エヌアイシーティー」と発音している。
問題はその後だ。「エヌアイシーティーと読む理由を教えてほしい。海外のスラングになるから、ニクトと呼ぶのは間違いなのか」という質問には「正しい読み方はエヌアイシーティー。ただし、その理由が記載された書類は見たことがない」と返ってきた。
単にアルファベットをそのまま読んでいるだけなので、当たり前といえば当たり前だ。とはいえ「ニクトはスラングだから良くない」というのも、少なくとも公式な見解ではないことになる。
ここからはあくまで憶測だが、恐らくはNICTをニクトと呼ぶことで、何かトラブルにつながったり、つながりそうになったりした人がどこかにいたのだろう。それが口伝で広がり「ニクトがダメな理由は広まっている。ただし公式な書類はない」状況が生まれた可能性はある。
いずれにせよ、NICTをエヌアイシーティーを呼ぶべきなのはこれではっきりした。もし「ニクト」派の人がいれば……今から改めよう。筆者も改める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR