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そろそろ進化にも限界? 変わりゆく「アクションカメラ」の今、各社の最新モデルからひもとく小寺信良のIT大作戦(2/4 ページ)

» 2023年09月26日 19時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

正解に近づきつつあるInsta360

 Insta360は2015年創業で、2016年にiPhoneに装着する360度カメラからスタートした。その後360度カメラはスタンドアロン型へと移行、業務モデルも展開しており、プロユーザーも抱えるメーカーだ。

初期の製品はiPhone用アクセサリだった

 Insta360が得意としたのが、小型のウェアラブルカメラである。2019年発売の「Insta360 Go」は親指大の小型カメラで、帽子のツバや胸に装着することができた。アクションカメラというよりは、街撮りカメラである。

初代Insta360 Go

 本格的にアクションカメラに参入したのは、2020年の「Insta360 One R」からである。カメラ部、プロセッサ部、バッテリー部の3つが合体して1つのカメラとなるコンセプトで、カメラ部を別モジュールに変更すれば、360度撮影もできた。またいち早く1インチセンサーを搭載したカメラモジュールも導入し、高画質化にも対応した。

モジュール式のアクションカメラ「Insta360 ONE R」

 このカメラがユニークだったのは、自撮り用にカメラを前後反対向きに取り付けられるところである。すでにVlogブームがスタートしており、自撮りにも最適化した作りで完成度も高かった。この分離合体システムは、翌年発売されたDJI Action 2にも影響を与えたものと思われる。

 その後2022年にはプロセッサやカメラモジュールを一新した「Insta360 ONE RS」へとリニューアル、さらに新360度カメラモジュールを縦方向に組み合わせる「Insta360 ONE RS 1インチ360エディション」へと発展した。スダンドアロンの360°カメラとアクションカメラが合流したわけである。

モジュールを一新した「Insta360 ONE RS」
モジュールを縦に組んだ「Insta360 ONE RS 1インチ360エディション」

 一方ウェアラブルカメラのGoシリーズは、2021年に「Insta360 Go 2」が登場している。充電ケースがそのまま撮影スタンドやコントローラーになるなど、面白い仕掛けだったが、撮影用のモニターがなく、いちいちスマホと接続しないと何が写ってるのか分からない。スタンドに固定するということは、安定した映像かつアングルも固定されるという事なので、モニターがないと話にならない。体に取り付けて、何が撮れたかお楽しみ、とは話が違うわけである。

ケースがスタンドになる「Insta360 Go 2」

 正直仕様と利用のシナリオがズレていると感じたものだが、23年発売の「Insta360 Go3」では見事に欠点をクリアしてきた。カメラが独立の小型ユニットであるところは同じだが、ケース側をGoProスタイルにして、ディスプレイも付けた。さらにディスプレイをフリップ型にして自撮りにも対応した。ウェアラブルカメラを新たなアクションカメラに発展させたわけである。

カメラが着脱できるアクションカムへ進化した「Insta360 Go3」

 カメラとケース側は常時ワイヤレス接続されており、くっつけても離しても常時カメラアングルがディスプレイに表示される。若干遅延はあるが、どこに取り付けてもモニタリングできるので、格段に使い勝手が向上した。

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