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そろそろ進化にも限界? 変わりゆく「アクションカメラ」の今、各社の最新モデルからひもとく小寺信良のIT大作戦(3/4 ページ)

» 2023年09月26日 19時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

自分で自分を縛るGoPro

 GoProは代を数えて今年で12代目となる「GoPro Hero12 Black」を9月に発表した。一時期はドローンに手を出して文字通り大やけどしたが、本業に立ち返ってシンプルなビジネスモデルを展開している。

9月にリリースされたGoPro Hero12 Black

 GoProも毎年機能的には進化しているが、外形や端子、ボタン位置はほぼ変わっていない。それというのも、アクセサリーとしてケースやモジュール類がたくさんあり、外寸を変えるとそれらが使えなくなってしまうため、おいそれと変えられないという事情がある。傍流としてHero11 MiniやMaxといった別サイズのカメラもあるが、今回のHero12は、Hero9からずっとボディーが変わっていない。

 そもそもブラックモデルしかないのにいちいち製品名にBlackが付くのは、Hero7あたりまでは機能別にカラーバリエーションがあったからである。こうした「変えられなさ」はGoProの弱点にもなり得る。

2020年発売のGoPro Hero9 Black

 ただ今回は、サイズはそのままに本体底部に三脚用ネジ穴を追加した。これまではいわゆる「GoProマウント」のみで、そのためにアクセサリーなどを展開し、他社カメラもそれと互換性を持たせる流れだったが、本家GoProがマウントを見直し始めた格好だ。

 これの意味するところは、カメラ固定に一般の三脚を使いたいというニーズが高まったという事だろう。アクションに耐えられる頑強さと、正面からの衝撃を逃がしてカメラがもげないようにする構造がGoProマウントのウリだが、普通のカメラ三脚類に取り付ける場合にはマウントにマウントを重ねる必要があり、ゴチャゴチャしてしまっていた。アクションは撮らないからもう少しシンプルにしてくれという声も無視できなくなったという事だろう。

 Hero12の目玉は、バッテリーライフの向上だ。過去モデルと同一バッテリーを使いながら、電力設計の見直しにより撮影時間を約2倍に延長した。ちょこちょこ小電力化を積み上げても、こんな小さなシステムではそう簡単に2倍にはならないので、これまで電力をバカ食いしていた部分があったのだろう。

 加えてAirPodsを接続してマイク代わりに使える機能も搭載したが、これはInsta360 ONE R以降ですでに実装済みの機能だ。ワイド撮影ができるモジュラーレンズも登場したが、これも過去に同様のモジュラーレンズを出しており、それをブラッシュアップした格好で、新機能というわけではない。うわさでは1インチセンサーを積むのではないかといわれていたが、これは単なるうわさだったようだ。

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