ITmedia NEWS > 製品動向 >
STUDIO PRO

そろそろ進化にも限界? 変わりゆく「アクションカメラ」の今、各社の最新モデルからひもとく小寺信良のIT大作戦(4/4 ページ)

» 2023年09月26日 19時00分 公開
[小寺信良ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

変質する「アクション」のシナリオ

 小型で超広角レンズを備え、ド派手なスポーツシーンが撮影できることから始まったアクションカメラだが、スポーツカメラとしての進化もそろそろ限界に達しつつあり、だんだんやることがなくなってきているように感じられる。今年のGoPro Hero12とDJI Action4を見る限り、明らかに進化の袋小路へ迷い込んでいる。

 もともと日本を含めたアジア圏では、激しいストリート系スポーツが育ちにくい。加えてバイクで岩山に登ったりパラシュート背負って飛び降りたりといったやんちゃ人口も、欧米に比べれば微々たるものだ。GoProは欧米を中心にこうしたスポーツの大会をスポンサードするなど振興に注力し、強固な支持基盤を築いた。スポーツ分野で他社が勝てるわけがない。

 一方GoProの後追いではなく、もっと落ち着いた「街撮りオモシロカメラ」で伸ばしてきたのが、Insta360だ。もともと360度カメラは、海や山には向かない。上半分が空で下半分が岩では、面白くないからである。むしろ街撮りのほうが面白い。同社アクションカメラのサンプル映像も、街撮りの傾向が強い。進化の袋小路を突破できるのは、Insta360ではないだろうか。

 アクションカメラではないが、Insta360は22年、AI認識可能な3軸ジンバルのUSBカメラ、「Insta360 Link」を登場させた。明らかに室内撮影を前提としたもので、「小型だから外に持ち出す」という概念をひっくり返した。

AI駆動の3軸ジンバルカメラ、「Insta360 Link」

 片や今年、スマホジンバルで知られる中国のFeiyu Techが、小型ジンバルカメラでヘッド部とモニター部が分離する「Feiyu Pocket 3」をリリースした。ジンバル+ワイヤレスモニタリングという方向性である。

ジンバルカメラ部が分離できる「Feiyu Pocket 3」

 水平維持だけでなく、人物フォローのためのジンバルという使い方とともに、カメラが壊れるような激しいことはしないという撮影用途が拡大した結果であろう。

 もともとアクションカメラには自撮りの傾向があった。「アクションするオレカッコイイ」が撮りたかったわけだ。これが10年たち、Vlogが一定の市民権を得た今、スポーツシーン以外の「自分アピールカメラ」として、アクションカメラが使われ始めている。カメラユニットが独立し、手元でモニタリングできるという流れも、その傾向を後押ししている。

 今後のトレンドは、「リモートモニタリング」がポイントになるだろう。今年GoProとDJIはそこに乗り遅れたわけだが、DJIはドローン技術で本来最も得意なところのはずだ。現在DJI Action2は専用アクセサリーを含め大幅なディスカウントが始まっており、別設計の分離型カメラが出る可能性が高まっている。次はやはり、リモートモニタリングへ行くのかもしれない。

 アクションカメラは、この技術をベースにこれまでにない取り付け位置や面白いアングルをサポートする、別用途のカメラへの進化が求められてくるのではないかと思う。4Kハイフレームレートでガンガン、というより、24Pや30Pでシネマトーンへという流れも出てくるのではないだろうか。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.