米Googleは1月11日(現地時間)、スマート家電やスマートフォンなどに搭載している音声アシスタント機能「Googleアシスタント」で「あまり活用されていない機能の一部を削除する」と発表した。「ユーザーが気に入っている機能を優先し、さらに向上させるため」としている。
削除されるのは17の機能(記事末にリストを掲載した)。1月26日以降、該当する機能を使おうとすると、利用できなくなると答えられる場合があるという。残して欲しい機能があるユーザーは「OK Google、フィードバックを送信」と言ってコメントを送ることができる。
また、モバイル向けGoogleアプリのマイクアイコンからGoogleアシスタントを呼び出す機能がなくなり、代わりに音声検索が起動するようになる。Pixel端末の検索バーのマイクアイコンもアシスタントではなく音声検索が機能するようになる。
Pixel端末の検索バーのマイクアイコンをタップした画面(変更前)
Googleは、「変化が破壊的なものになる可能性があることは理解している」とし、移行をスムーズにするためにできる限りのことを行うつもりだとしている。
Googleアシスタントは2016年のGoogle I/OでAI採用ボットとして発表された。その後、搭載サービスや機能が改善されていったが、2021年以降はあまり新機能が追加されていなかった。
昨年7月には、GoogleがLLM(大規模言語モデル)でGoogleアシスタントを強化する予定で、この取り組みに集中するために組織変更を行う計画だと報じられた。
Googleは10日、Googleアシスタントを担当する従業員を含む大規模リストラの計画を認めた。
機能削除を発表する公式ブログでは、LLMによる強化などについては言及していない。
使えなくなる機能は以下の通り。
- 「Google Playブックス」のオーディオブックの声による再生と制御。モバイル端末からのキャストはできる
- Googleアシスタント対応端末でのメディアアラーム、音楽アラーム、ラジオアラームの設定と使用。代替策:これらの動作をするカスタムルーチンの作成、標準アラームの使用
- NestやGoogle Homeのスマートスピーカーやディスプレイでのレシピ検索と調理手順のステップバイステップ表示
- スマートディスプレイとスピーカーでのストップウォッチの管理。タイマーとアラームの設定は引き続き利用可能
- 音声で端末に電話をかけたり、Googleファミリーグループにメッセージをブロードキャストする。同一Wi-Fi内でのブロードキャストは利用可能
- 音声でのメール、動画、音声メッセージの送信。電話をかけたり、テキストメッセージを送信したりすることは引き続き可能
- 「Googleカレンダー」のイベントの音声でのリスケジュール。新規イベントの追加は可能
- 「Googleマップ」のGoogleアシスタントドライブモードでのアプリランチャーからのメッセージの読み取りと送信、通話、メディアの制御。代替策:Googleマップの音声コントロール
- 事前にスケジュールされたファミリーベルのアナウンスの確認。代替策:カスタムルーチンの作成
- Calmでの瞑想(日本ではもともとない機能)
- 「Fitbit Sense」および「Versa 3」でのアクティビティの音声コントロール。代替策:単松のボタンでの操作
- 睡眠概要の表示がGoogleのスマートディスプレイのみに。サードパーティのスマートクロックでは、音声でのみ提供に
- 「Duo」以外での、スマートスピーカーやディスプレイから発信された通話の発信者番号表示
- 周囲の「通勤」の推定所要時間のスマートディスプレイでの表示。通勤時間を尋ねたり、音声で道順を確認したりすることは可能
- 個人の旅程の音声による確認
- 連絡先に関する情報の音声による確認
- 支払いの送金、予約、SNSへの投稿など、特定のアクションの音声による操作
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