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AIドリームチーム「Sakana.ai」が人材募集 AWS・GCPや日本産HPCインフラの利用経験があるエンジニアなど 設立者は元Googleトップ研究者ら

» 2024年01月18日 18時14分 公開
[ITmedia]

 元米Googleの著名な研究者、リオン・ジョーンズ氏とデビッド・ハー氏らが東京で立ち上げたAI企業Sakana.ai(東京都港区)は1月16日、ITエンジニアやビジネスアナリストといった人材の募集を始めた。募集するポジションは「技術スタッフ」「コンピューティングプラットフォームエンジニア」「ビジネスアナリストもしくはアソシエイト」。

 技術スタッフは「AIに関する過去のプロジェクトもしくは出版物を証明できる人材」を募る。特に「NeurIPS」「ICLR」「GECCO」といった学会や、他の学術誌などに論文が採択されていたり、高品質のコードを書く能力があり、人気のあるオープンソースソフトウェアに貢献した経験があったりする人材を優遇するという。

 雇用期間・形態は4〜6カ月のインターンシップ、大学院生を想定したパートタイム勤務、1年間の期限付き、フルタイムなどさまざまな形を想定する。リモート勤務は認めず、東京に住むことを推奨する。

 コンピューティングプラットフォームエンジニアは、AWSやGoogle Cloudといったクラウドサービスに加え、産業技術総合研究所が提供する「ABCI」やさくらインターネットなどが提供するGPUベースのHPCインフラを利用した経験がある人を募る。日英のバイリンガルで、スーパーコンピュータの管理に使う「Slurm」などのツールに知見があったり、Pythonで管理の仕組みを作成できたり人は優遇するという。

 こちらはパートタイムでの雇用を想定する。リモート勤務は認めるものの、東京への出張の可能性があることから東京に住むことを推奨している。

 ビジネスアナリストもしくはアソシエイトは、東京にあるグローバルな投資銀行の投資銀行部門や株式資本市場部門などでアナリストまたはアソシエイトとして勤務しており、かつ日本の組織で勤務した経験のある人を募る。英語とビジネスレベルの日本語が使えることも求める。財政学、経営学、経済学、法学、コンピュータサイエンスや機械学習の学士号もしくは修士号がある人や、スタートアップ企業で財務管理を担当した経験がある人は優遇する。

 業務内容は財務戦略、財務計画、予算編成に加え、投資家やビジネスパートナーとの関係構築など。「ビジネス及び政府機関のエコシステムに影響を与える機会の支援」なども含むという。

 Sakana.aiは2023年8月に設立を発表。24年1月16日にはシリコンバレーのベンチャーキャピタルやNTTグループ、KDDI、ソニーグループなどから45億円の資金を調達したことも発表した。

 共同設立者のジョーンズ氏は、生成AI革命のきっかけとなったと評価されている論文「Attention Is All You Need」の著者の一人として知られている。この論文では、後にChatGPTなどの製品開発の基礎となった深層学習アーキテクチャー、Transformerを紹介している。

 同社は現在、独自の生成AI開発を進めており「大規模言語モデル(LLM)の開発に当たっては巨大な計算資源が必要となっている。Sakana.aiは、多数の小型AIを分散的に配置し、複数のAIを組み合わせるエージェント機能の設計なども活用することで、より高度な適応能力を備えた、より効率的なシステムを開発していく」という。

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