元米Googleの著名な研究者、リオン・ジョーンズ氏とデビッド・ハー氏が東京で立ち上げたAI企業Sakana.ai(東京都港区)は1月16日、シリコンバレーのベンチャーキャピタルやNTTグループ、KDDI、ソニーグループなどから45億円の資金を調達したと発表した。
調達元はシリコンバレーのベンチャーキャピタル米Lux Capitalや米Khosla Venturesに加え、日本ではNTTグループ、KDDI、ソニーグループ、ベンチャーキャピタルのみやこキャピタルやジャフコグループなども出資した。Googleで最高AI責任者を務めるジェフ・ディーン氏や、米Hugging Face創業者CEOのクレム・デラング氏、米Scale AI創業者CEOのアレックス・ワン氏といった個人からも出資を受けた。
調達した資金は人材採用に充てる。国内外から優秀なITエンジニア人材を集め、日本に招致するという。さらに、創業メンバーとして参加したエンジニア陣も明らかにした。リストは以下の通り。
同社は当初、共同創業者はジョーンズ氏とハー氏としていたが、元外務省、メルカリ、Stability AIの伊藤錬氏も共同創業者COOとして参加していたことも明らかにした。
Sakana.aiは2023年8月に設立を発表。共同設立者のジョーンズ氏は、生成AI革命のきっかけとなったと評価されている論文「Attention Is All You Need」の著者の一人として知られている。この論文では、後にChatGPTなどの製品開発の基礎となった深層学習アーキテクチャー、Transformerを紹介している。
同社は現在、独自の生成AI開発を進めており「大規模言語モデル(LLM)の開発に当たっては巨大な計算資源が必要となっている。Sakana.aiは、多数の小型AIを分散的に配置し、複数のAIを組み合わせるエージェント機能の設計なども活用することで、より高度な適応能力を備えた、より効率的なシステムを開発していく」という。
社名は日本語の「魚」に由来する。「分散、自律的、効率的なAIの開発を目指すべく、小さな個々の魚が群れを成すなどの行動判断といった自然界の法則に着想を得た」という。
【更新:2024年1月17日午前1時 創業メンバーの経歴について、当初日本語の発表を基に表記していましたが、英語版に合わせたものに変更しました】
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