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ダイキンの“ピンポイント暖房”が売り切れ目前 開発者に聞いたヒットの理由知らないと損!?業界最前線(3/4 ページ)

» 2024年01月20日 07時00分 公開

温風と遠赤外線のハイブリッドで暖める

 ハイブリッドセラムヒートは名前の通り、温風と遠赤外線を介して伝わるヒーターの輻射熱のハイブリッドで暖める点が特徴だ。従来のセラムヒートは遠赤外線のみで暖めるため、立ち上がりにやや時間がかかることが課題となっていた。一度立ち上がってしまえばあとは非常に暖かいのだが、寒い早朝に足元を素早く暖めたいニーズには合わない。

 そこでハイブリッドセラムヒートには、約10秒で温風が吹き出す機能を搭載。しかも本体前面の下部から床を這うように温風が出るため、ピンポイントで足元を暖められる。その後遠赤外線ヒーターが立ち上がったあとは、徐々に温風を弱めて輻射熱での暖房をメインにする仕組みだ。

ハイブリッド運転は、初めに温風で足元を素早く暖め、だんだんとヒーターによる輻射熱に切り替わる。このほか温風のみ、輻射のみの運転もできる

 「温風に関してはなるべく人に当てないよう、足元を沿わせるような気流を実現しました。電気温風機には、温風が顔に当たって不快に感じるというデメリットがあるので、そこを意識しました」(森上さん)

 そして、もう1つ力を入れた点が安全性だ。セラムヒートの前面が幅広の格子だったのに対し、ハイブリッドセラムヒートでは前面にパンチングメタルのパネルを採用した。そしてこのパネルの表面温度は、平均50℃が保たれているという。

 パンチングメタルの温度が高くなり過ぎないのは、本体の設計による。本体下部から吹き出る風は、前面上部に設置されたファンでパンチングメタルを通して空気を吸い込んでいるため、パンチングメタル自体の温度上昇を抑えることができるのだ。

本体前面上部から空気を吸い込むことで、パンチングパネルの温度上昇を抑えている

 さらにパンチングメタルの表面温度は、控えめモードに設定することで50℃以下に抑えることもできる。小さい子どもがいる家庭でも安心して利用できるというわけだ。

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