1月19日発売の3Dオープンワールドゲーム「Palworld」(パルワールド)が大いに話題だ。ゲームの公式Xアカウントによればすでに400万本以上を売り上げ、PCゲーム配信プラットフォーム「Steam」では同時接続プレイヤー数が最大で約130万人に上っている(1月22日午後1時40分時点)。
早期アクセスにもかかわらず、販売価格からの単純計算で約120億円を売り上げた計算になることから、ビジネスシーンでも話題になり始めている。一方で、ゲームシステムやキャラクターが他作に類似していることもあって、SNSでは物議を醸してもいる。
かくいう筆者も以前から注目していたタイトルで、1月22日時点ですでに25時間ほど遊んでいる。ITmedia NEWSはIT専門媒体なので、いつもならIT・ビジネス視点で「話題作・パルワールド開発の裏側」みたいな記事を書くところだが、あいにく筆者は休暇をSteam漁りで潰すようなゲームオタク。今回はあえて、いちゲーマー視点から「パルワールドを買ってしまう心理」と、遊んでみての感想を話してみたい。
ちなみに、ゲームを遊ばないIT業界の方々に向けてパルワールドの印象を例えるなら「SlackとZoomとNotionの良いトコどりをしたコミュニケーションツールが買い切りで売っていて、Teamsくらいみんなが使っている。ただしロゴがSlackの色を変えただけ」みたいな作品だ。理由は後述する。
まず、パルワールドがどんなゲームなのかを整理しておく。同作はモンスター「パル」と戦ったり、捕獲・使役したりする要素を中心とした3Dオープンワールドサバイバルゲームだ。マップで拾える素材や、パルを倒すことで手に入る素材を使って拠点や各種設備を強化でき、環境を充実させることでアイテムの入手効率を良くしたり、より強いアイテムを手に入れたりできる。
そうすると移動範囲が広がったり、より強いパルを倒せるようになるので、新たな設備を作れるようになる……というのを繰り返す仕組みだ。パルは仲間にすることもでき、戦いに参加させたり、拠点で労働させてアイテムを生産させたり、あるいは売買したり、解体したり、武器そのものにしたりできる。パルの肉を食べることだってできる。
そして、すでにSNSなどで賛否両論になっている通り、パルは「ポケモン」によく似たデザインをしている。そんなパルたちと触れ合うも良し、搾取するも良し、といった具合のゲームがパルワールドだ。対応プラットフォームはPC(Steam、Microsoft Store)/Xbox Series X│S/Xbox One。ゲームサブスクリプション「Xbox Game Pass」にも対応しており、もちろん他のプレイヤーと協力・対戦もできる。
開発元はポケットペアという日本のゲームデベロッパー。「オーバーダンジョン」「クラフトピア」「AIアートインポスター」といった佳作を出しており、パルワールドも決して「ポッと出が一発当てた」という訳ではない。
筆者もオーバーダンジョンとクラフトピアをプレイ済みで「人気ゲームの強みを露骨なまでに参考にしつつ、独自要素を加えて打ち出してくるデベロッパー。完成度がもう少し高いとうれしいが、とりあえず十数時間は遊べるゲームが出てくるところ」みたいな認識だった。パルワールドも、少なくとも発表時には「ついにあそこが完成度高いゲームを出してくるか?」と受け止めていた。
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