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「Apple Vision Pro」レビュー 渡米してまで買う価値はあったのか(2/3 ページ)

» 2024年02月05日 13時00分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

ハワイで無事購入

 筆者は2月2日にハワイ州ホノルルにあるアラモアナ・センターにあるApple Store Ala Moanaで受け取った。ここはホノルル最大のショッピングモールで、その中にある中規模のApple Store……という感じだ。

Apple Store Ala Moanaで受け取り まずフィッティングとデモが用意され、その後に購入を希望したら買う、というフローになる。もちろん、オンラインのApple Storeで買えば製品が配送されてくる。

 なお、予約で売り切れが伝えられていた(実際オンライン購入予約では、すでに1カ月以上先の配送となっていた)のだが、実際には店頭在庫が豊富。少なくとも発売初日(2月2日)には、米国国内にある多くのApple Storeで当日購入ができたようである。

値段も高いが箱もビッグ

 今回購入したのは、Apple Vision Pro(ストレージ256GB、3499ドル)の本体と、Apple Vision Pro Travel Case(199ドル)。総計3698ドル+ハワイ州消費税で、日本円にして56万9845円の請求となっている。

 SNSなどでも多くシェアされているが、箱はかなり大きい。本体はそこまで大きくないのだが、箱の中で相当にしっかりと固定されている。

箱は確かに大きい。そして、内部でのホールドもかなりしっかりしている

 あくまで予想だが、ここまで大きくなっている理由は、梱包材をすべて紙で作る関係上、梱包自体を堅牢かつスペースを使ったものにしないといけなかったからではないか。ガラスを表面に使っており、輸送時の耐衝撃性に気を使う必要はありそうだ。ただ、日常遣いに関しては、ガラス面のカバーが付属することもあり、そこまでセンシティブになる必要はない。

 同梱されているものは多い。

 まず本体。

Vision Pro本体

 これにはカバーにSolo Knit Band、Light Sealとクッションが付いてくる。フィッティングを済ませているので、店頭で渡されるものは「自分に最適なSolo Knit BandとLight Sealがついた」状態になっている。

 次にバッテリーと電源。

 バッテリーには専用のケーブルがついていて、Vision Proとつながる。バッテリーとケーブルの接続に「Lightningと似た端子」が使われていることがSNSなどで騒がれたようだが、Lightningよりも幅広な独自端子。そもそも、バッテリーとケーブルをひんぱんに外す構造にはなっておらず、脱落防止の爪もある。

バッテリー。USB Type-Cでつないで給電しながら使える

 バッテリー自体にUSB PDのコネクターがあり、ここから給電できる仕組みになっている。バッテリーの充電もこれで行うが、実際には「長いUSB PD対応ケーブルをつないで給電しっぱなし」で使うのが現実的かと思う。付属のACアダプターは30Wのもの。だから、30W以上の出力のACアダプターを別途用意してもいい。「バッテリーにさらにバッテリーをつなぐ」場合も同様だ。

 なお、別売のVision Pro Travel Caseには、ACアダプターなどを入れる小袋も付属する。

 このほか本体には、頭の後ろから上下に支える「Dual Loop Band」も付属する。従来のHMDに近い形状のバンドで、こちらを好む人もいそうだ。個人的には、フカフカしている分Solo Knit Bandの方が快適だと感じるのだが、結局のところ、「頭につける」「自分の目に合わせる」という属人性の高い機器だから、この辺は好みも個人差もありそうだ。

そのほかの付属品

 なお「つけ方」のイメージだが、HMDを「頬骨のところと後頭部で支える」感じで捉えている方が多いかもしれない。

 だが実際には、Vision Proの場合には「額と後頭部の上の方で支える」イメージで、さらに、「そんなに強く絞めない」感じでいい。そうすると、頭と頬への圧迫感が減るので、長時間使っても負担を感じにくくなる。

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