「PlayStation 5」(PS5)の販売台数が、2023年10〜12月期に四半期としては過去最高となる820万台に達した。ソニーグループが2月14日に開催した2024年度3月期第3四半期決算説明会で明らかにした。
累計の販売台数は5470万台。ネットワークサービスの月間アクティブユーザー数も1億2300万(23年12月)に達し、総ゲームプレイ時間は前年同期比で13%延びるなど好調だった。
ただし来年度以降、販売台数の緩やかに減少すると予想している。20年11月に発売したPS5は、来年度には発売から5年目を迎える。ゲームコンソールの商品サイクルとしては後半となり、値下げや廉価版の登場も期待される時期だ。
会見では記者やアナリストから値下げや廉価版に関する質問もあった。しかしソニーグループの社長兼COO兼CFOで、23年10月からはソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の会長も務めている十時裕樹氏は「難しい」と繰り返す。
理由の1つは「PS5は、最初からシングルナノ(プロセスルールの)のチップを採用しており、チップシュリンクによる恩恵を受けにくい」こと。プロセスルールの微細化によるコストダウン効果が期待できないという。
さらに「以前に比べるとチップやメモリも値上がりした。“体験”を作るためのコストが上昇している」としている。
このため今後の販売戦略は値下げではなく、より収益性やユーザーエンゲージメントとのバランスをとる方向を検討しているという。「PS5では、MAU(Monthly Active Users)を落とさないことが一番大事と認識している」(十時氏)。拡大したインストールベースを用い、「PlayStation Network」などネットワークサービスの拡大に力を入れる考えだ。
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