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PS5、10〜12月期に過去最高820万台を販売 今後、廉価版や値下げの可能性は?

» 2024年02月14日 18時58分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 「PlayStation 5」(PS5)の販売台数が、2023年10〜12月期に四半期としては過去最高となる820万台に達した。ソニーグループが2月14日に開催した2024年度3月期第3四半期決算説明会で明らかにした。

PS5の四半期ごとの販売台数。820万台は過去最高の数字
ソニーグループの十時裕樹社長兼COO兼CFO

 累計の販売台数は5470万台。ネットワークサービスの月間アクティブユーザー数も1億2300万(23年12月)に達し、総ゲームプレイ時間は前年同期比で13%延びるなど好調だった。

 ただし来年度以降、販売台数の緩やかに減少すると予想している。20年11月に発売したPS5は、来年度には発売から5年目を迎える。ゲームコンソールの商品サイクルとしては後半となり、値下げや廉価版の登場も期待される時期だ。

 会見では記者やアナリストから値下げや廉価版に関する質問もあった。しかしソニーグループの社長兼COO兼CFOで、23年10月からはソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の会長も務めている十時裕樹氏は「難しい」と繰り返す。

「PlayStation Network」も好調

 理由の1つは「PS5は、最初からシングルナノ(プロセスルールの)のチップを採用しており、チップシュリンクによる恩恵を受けにくい」こと。プロセスルールの微細化によるコストダウン効果が期待できないという。

 さらに「以前に比べるとチップやメモリも値上がりした。“体験”を作るためのコストが上昇している」としている。

 このため今後の販売戦略は値下げではなく、より収益性やユーザーエンゲージメントとのバランスをとる方向を検討しているという。「PS5では、MAU(Monthly Active Users)を落とさないことが一番大事と認識している」(十時氏)。拡大したインストールベースを用い、「PlayStation Network」などネットワークサービスの拡大に力を入れる考えだ。

来年度の見通し。サードパーティーのソフト販売も拡大する見通し。ただし自社制作ソフトについては既存の大型タイトルの新作がないため、減収を見込む

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