完成した動画は、通常はディレクターやプロデューサー、クライアント等がチェックする必要がある。こうしたことを実現するのが、Blackmagic Cloudの「プレゼンテーション」だ。
プレゼンテーションは1つの有料アカウントにつき、20個まで作成できる。一杯になったら削除すればいいので、同時に使えるのが20個ということである。
プレゼンテーションは、Blackmagic CloudのWebツールで作成しておく必要があるが、プレゼンテーション素材のアップロードはDaVinci Resolveから行う。カットページやエディットページの「クイックエクスポート」か、デリバーページから書き出し先を「Presentations」に指定すると、特定のプレゼンテーションにアップロードできる。
あとはそのプレゼンテーションに参加者を招待しておけば、各自でプレビューしながらマーカーを打ってコメントが書き込めるし、全員で動画を見ながらチャットや、オンラインで参加できるのであればカメラとマイクをONにしてリモート会議もできる。
ただチャットルーツは、日本語を入力して漢字変換し、確定の「Enter」を押下した瞬間に送られてしまうという致命的な欠陥がある。これはある意味「日本語対応あるある」ではあるが、早急に修正した方がいいだろう。
これまでDaVinci Resolveは、こうしたアノテーションとして「Dropbox Replay」に対応していたが、リアルタイムでチャットやリモート会議ができるという点では、Blackmagic Cloudを使うメリットがある。
一方「Dropbox Replay」やAdobeの「Frame.io」では、画面内に直接ペンツールなどで書き込みができるが、Blackmagic Cloudのプレゼンテーションツールにはそうした機能はない。どちらかといえば、制作中のプレビューというよりも、最終完パケの確認といった用途を想定しているのかもしれない。
いずれにしても、無料のアカウントさえ作っておけば、DaVinci Resolveを中心とした共同作業が実現できる。1人で撮影から編集まで行っている場合には、コストに見合うメリットが得られるかは微妙なところだが、チームで動いている場合には編集ソフト純正なだけに、使い勝手はいい。
むしろこのクラウドツールを中心として、積極的なコラボレーションが産まれること自体が、狙いなのかもしれない。
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