米Epic Gamesは3月6日(現地時間)、米Appleが一度は受け入れたEpic GamesのスウェーデンでのiOS開発者アカウントを削除したため、計画していたiOS用ゲームストアの開発ができなくなったと発表した。
Epic Gamesは、欧州連合(EU)が7日に発効させる予定のデジタル市場法(DMA)に基づいて、iOS端末向けにEpic Gamesストアを提供する計画だったが、AppleがDMA発効直前にアカウントを終了したと語った。
同社は、「これはDMAの深刻な違反であり、AppleはiOSでの公正な競争を許可する意思がないことを示している」とAppleを批判した。Appleに異議を申し立てるとどうなるかを他の開発者に示すためにEpic Gamesを見せしめにしたとも語った。
Epic Gamesは公式ブログに、App Storeの責任者であるAppleフェローのフィル・シラー氏とEpic Gamesのティム・スウィーニーCEOが送受信した2月23日付の書簡を添付した(記事末に転載)。
その中でシラー氏は「Epicは以前、Appleとの契約を破棄した。(中略)あなたはEpicが利益を得るために意図的にAppleの規則に違反したと(裁判で)証言した。最近では、われわれのDMA対応策を“hot garbage”“horror show”などと呼び、(App Storeの30%の手数料のことを)“Junk Fees”や“Apple taxes”と批判した」とし、そういう態度であるEpicをどうすれば信用できるのかと問うた。
以下が、スウィーニー氏が1月25日にXに投稿したポストだ。
これに対し、スウィーニー氏は同日中に「Epicおよびその子会社は誠意を持って行動し、Appleとの現在および将来の契約のすべての条件を順守します。また、さらに具体的な保証を喜んで提供します」と返信した。
Epicによると、その後シラー氏からの返事はなく、3月2日にAppleの弁護士からEpicのアカウントを停止するという一方的な通知を受け取ったという。
Appleは米New York Timesなど複数のメディアに送った声明文で、AppleにはEpicのアカウントを「終了する権利」があり、その理由はEpicの「契約上の義務の重大な違反」だと語った。
Epicは公式ブログで、「欧州および世界中のiOS端末に本当の競争と選択肢をもたらすために戦い続ける」としている。
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