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あたりまえになった「ロボット掃除機」 便利だからでは許されなくなる、“次の競争”とは小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

» 2024年03月11日 18時30分 公開
[小寺信良ITmedia]

 日用家電として、炊飯器、洗濯機、掃除機、エアコンなどは必需品と言えるが、昨今急速に日用家電の仲間入りを果たしたのが、ロボット掃除機である。iRobotの「ルンバ」がロボット掃除機の代名詞であった時代はすでに10年以上昔であり、今は多種多様のメーカーが参入している。

 ロボット掃除機市場は年間23%ペースで成長していると言われているが、特にコロナ禍以降は家にいる時間が長くなったことから、部屋の清掃が気になる人が増えたことも事実だろう。またペットフード協会の調査によれば、コロナ禍以降の2020年と2021年で犬猫の新規飼育者が増加した。新たにペットの抜け毛の清掃問題に直面する人も増え、人力の掃除から自動化へ切り替えたい、あるいは切り替えたという人もまた、それなりに増えているはずだ。

ペットの抜け毛対策に……と購入したケースは多いかもしれない

 日本で販売されているロボット掃除機、その現行機種のバリエーションでカウントすると、エコバックス、iRobot、Roborockが3強となる。意外なところでは、ANKERも2018年から毎年新モデルを投入しているほか、Wi-Fiルーターで知られるTP-Linkにも製品が多い。一方日本では1製品しか投入していないが、ヨーロッパでは大手のエレクトロラックスの動向も気になるところだ。

 かつては15万円程度したロボット掃除機だが、昨今は1万円台の製品も珍しくない。平均では3万円〜5万円と言ったところだろうか。もちろん10万円オーバーの高級機も存在する。

 ある意味有名無名メーカーがひしめき合う状態となっているが、様々な技術がロボット掃除機に集まりつつある。筆者がロボット掃除機を導入したのはもう10年以上前のことで、様々なメーカーのものを使ってきたが、進化のプロセスを見るとなかなか面白い事がわかる。

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