OTIOは現役の編集者にとってもあまりなじみのないものであろう。ただ2024年2月にBlackMagic DesignのDaVinci Resolveがバージョン18.6.5のアップデートでOTIOの読み込みと書き出しに対応した事から、「アレは何だ?」という話になっている。
OTIOはAPIおよび交換フォーマットとされているが、その考え方はEDLに近く、編集データをテキストベースで記述していく方法を採っている。OTIOファイルをテキストエディタで開くと、プログラムのソースのようなフォーマットで記述されているのが分かる。冒頭にトラックの定義があり、続いて各カットの編集情報が記述されていく。
特徴的なのは、変形などのエフェクト情報も記載される事だろう。一部PinPしたカットがあるが、そこの縮小率および位置情報が記載されている。
実際にDaVinci Resolveで新規プロジェクトに読み込んでみると、パス情報も記載されているので、同じパスに素材を入れておけばタイムラインが復元される。PinP情報も継承されている。AFFではこのような縮小・位置情報が記述できないため、単なるビデオインサートとして復元されるのみである。この点からしても、OTIOを使う意義はある。
一方で読み取れなかったのが、テロップの情報だ。これはフォントの種類を含め多言語対応が必要であり、またテキストを編集ツールの標準機能で入れているのか、あるいはサードパーティー製のプラグインで入れているのかでデータの持ち方が変わってくることから、なかなか互換性を取るのは難しいところだろう。
またDaVinci Resolveの実装では、OTIOハンドルファイルというフォーマットにも対応している。これはOTIOの編集情報のほか、素材の動画ファイルそのものもまとめて出力できる。従って別マシンの別ツールにエクスポートする場合は、OTIOハンドルファイルで出力し、このファイルごと渡してやれば、素材も一緒に渡す事ができる。
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